阪神二回ビッグイニングにつながった伏線 前の守りの流れを生かした見事な攻撃、中日のマイナス面も踏まえてか 井川慶氏が指摘

 2回、中前に同点適時打を放つ大竹(撮影・山口登)

 「阪神15-2中日」(20日、甲子園球場)

 阪神は打線が今季最多15得点の大爆発で引き分けを挟んで5連勝。2位に浮上し、首位・中日に0.5ゲーム差と肉薄した。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は二回の7得点に「そこへのつながり、伏線はその前の守りにあった」と指摘した。

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 二回の7得点で勝負ありという展開でしたが、そこへのつながり、伏線はその前の守りにあったと思います。中日が2点を奪ってなおも1死二塁で大野投手の投ゴロの際、二走・上林選手が飛び出したところを挟殺でアウトに。阪神とすれば、ここに二つの大きなポイントがありました。

 まずは続く岡林選手の中前打で3点目を奪われなかったこと。もう一つは大野投手が塁上に残ったままだったことです。投手心理として、失点した初回の不安定な投球を踏まえると、二回の登板前にメンタルや技術面を整理したいところ。それができないまま、すぐに登板せざるをえない形となったことは誤算だったでしょう。

 結果的にその流れ、隙を逃さなかったというか、阪神は無死一塁から坂本選手がヒットでつなぎ、無死満塁での大竹投手もタイムリーでした。坂本選手には送りバントの選択肢もあり、大竹投手は併殺を避けるために打ちにいかなくても良かった。その状況で、いずれも打ちにいった策が当たったわけですが、岡田監督であれば、中日の二回の攻撃に見えたマイナス面を踏まえての策だったのでは、とも思える見事な攻撃でした。

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