母は福井出身…ラッパー「Big Deal」さんインドで活躍中 国内トップ10に入るミュージシャンの呼び声

写真を拡大 「近い将来、必ず福井でライブがしたい」と語る福井ゆかりのラッパー、ビッグ・ディールさん=福井新聞社
写真を拡大 笑顔でインタビューに応じるビッグ・ディールさん=福井新聞社

 福井県福井市出身の母親を持ち、生まれ育ったインドを拠点に活躍するラッパー、Big Deal(ビッグ・ディール)さん。インドでトップ10に入るミュージシャンとして評価を受ける今も「福井とインド、そして世界を僕の音楽でつなぎたい」と揺るぎない。自分のルーツである福井への思いは強まる一方だ。

 インドのベンガル湾沿いの都市プリーで、日本人とインド人の父の間に生まれた。外見の違いなどで差別を受けることもあった。そんな中、米国の人気ラッパー、エミネムに感銘を受け、2013年、24歳で念願のプロデビューを果たした。18年にリリースした楽曲「Are You Indian」は差別や偏見を題材にした。メッセージ性の強い歌詞が評価され、ユーチューブで400万回再生を超える代表作になった。

 プロ活動は順調だったが、新型コロナウイルスの流行によって一切のライブ活動ができなくなった。その間、曲作りやインターネットでの配信に注力。自身の経験を歌った曲に加えて、インドに対する思い、平和や愛をテーマにした曲も作った。

 若者を中心に人気を集め、国内では米ペプシコ、日本の自動車メーカーのスズキのCMにも出演。昨年開催されたホッケーワールドカップでは、5万人の観衆を前にパフォーマンスも披露した。「信じられないような毎日だった」と語るほど充実した日々を過ごし、名実ともにインドのトップアーティストの仲間入りを果たした。

 今春、福井への思いをつづった楽曲「FUKUI LOVE」の新しいバージョンを制作した。大好きだという県立恐竜博物館、地酒のほか、県内開業したばかりの北陸新幹線も歌詞に盛り込んだ。英語に日本語を織り交ぜながら、ゆったりした曲調に乗せ「福井愛」を歌う。福井で撮影した映像と合わせ、自身のユーチューブチャンネルで配信し、福井をPRしていく予定だ。

 今後は、英語と日本語にインドの公用語をミックスしたラップにも挑戦するという。「自分がアンバサダーとなって、インドや世界に福井の素晴らしさを伝えたい」と意気込む。

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 「FUKUI LOVE」は新旧バージョンともに、福井新聞のユーチューブで公開中。ディールさんの楽曲は主な音楽配信サービスなどで聴くことができる。

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