下半身露出…さらには同級生に裸の画像要求も SNSに潜む危険 なりすましアカウント被害者が語る苦悩【福島発】

私たちの生活の一部となっているのがスマートフォン、そしてSNS。新年度、子どもにスマホを持たせたという方も多いかもしれない。ただ、ネット上の空間には多くの危険が潜んでいることを忘れてはいけない。

怖いと感じる10代も

現代のコミュニケーションツールとして、欠かせない存在となったSNS。13歳以上の10代では約9割が利用しているという調査結果もある。(※出典 総務省「令和3年通信利用動向調査」)
その10代からは「友達は、アカウントが固まって、そのまま乗っ取られた」「友達同士でもラインのスクリーンショットを流出されたり、勝手に許可してない画像や動画をあげられてしまったり、それはちょっと嫌だった」と「便利さ」の反面、「怖さ」の声も聞かれた。

不安を感じる保護者

一方で、保護者もSNSの利用に不安を感じる部分もあるようで「大きくなると本当に分からない。保護者間の連携など皆でサポートしているような感じ」と話す。誰もが気軽に利用できるツールというだけではなく、そこには「危険」も潜んでいる。

息子になりすました人物が…

「プロフィール欄に息子の名前と学校名と記載されているので、周りの友達は息子だと思って、やりとりしたりフォローしたりしたようです」…こう話すのは、福島市内の中学校に通う男子生徒の保護者。

2024年1月、SNS上で息子になりすましたアカウントの存在と信じがたい状況を知った。

「息子になりすましたアカウントの人物が下半身を露出している」

同級生に裸の画像の要求も

被害生徒の保護者は「最初は信じられなかったですけど、段々それが恐怖心とか怒りに変わりました」と話す。

さらに、同級生などに卑猥な言動やメッセージのやりとり、裸の画像を要求しているということも分かった。
「内容が内容だったので、本人も信じられない。かなり困惑していました。当初はすごく不安がって精神的に落ち込んでいた」と保護者は話す。

直接メッセージを送り、なりすましを止めるよう伝えても…「なんのことですか?」と白を切られたという。被害生徒の保護者は「一番は色々な個人情報を知っているので、身近な所に犯人がいるのではないかと疑いの気持ちを持って生活している。毎日が本当に精神的に息子ともどもつらいところ」と語る。男子生徒に話を聞くと「一番は怖いという気持ちで、犯人に何かされるのでは。友だちが信じられない」という。

警察に被害を相談 対応を検討

保護者は、息子になりすましたアカウントをフォローする同級生などに、一人一人ダイレクトメッセージを送りトラブルに巻き込まれないよう呼びかけている。

「息子本人もだが、家族もだいぶ長いこと悩んだり苦しんだりしてきた。誰かになりすまして、そういったことをする事自体やめてほしい。アカウントも一日も早く消してSNSの使い方を正してほしい。色々な危険があるということを学んだので、同世代の子どもを持つ保護者は、普段からの声掛けをしていただければ」と話した。
男子生徒と保護者は警察に被害を相談し、今後の対応を検討している。

未成年でも罪に問われる可能性

なりすましている側は罪に問われないのか?福島市の鈴木芳喜法律事務所の湯浅亮弁護士によると、偽のアカウントを使って本人の名誉や社会的評価を下げる行為は「名誉棄損罪」に問われる可能性があり、性的な画像を送らせることについては「児童ポルノ禁止法違反」などの罪に問われる可能性があるという。こうした罪は、もちろん未成年でも刑事責任を問われる可能性があるという。

最近では、著名人になりすました詐欺広告も社会問題となっている。他人になりすましたアカウントでの迷惑行為などは許されることではなく、犯罪につながる可能性もある。スマートフォン、そしてSNSの使い方など改めて家族でも話し合ってほしい。

(福島テレビ)

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