【陸上】サニブラウン 見据えるパリ五輪の先…次世代と陸上界躍進につながる〝2つの大会〟

リレーでもパリ五輪出場を目指しているサニブラウン・ハキーム

陸上の世界選手権(昨年8月、ブダペスト)の男子100メートルで6位に入賞したサニブラウン・ハキーム(25=東レ)は、パリ五輪の先も見据えていた。

サニブラウンも出場を予定しているパリ五輪リレー種目の予選を兼ねる世界リレー大会(5月4日開幕、バハマ)に臨む日本代表の公開練習が20日に都内で行われた。日本陸連の土江寛裕・短距離ディレクターは「ハキームなしでは、多分リレーで金は取れない。個人(種目)に時間を割かないといけないこの時期に、わざわざ来てくれるということ。そこを認識しないといけない」と存在感の大きさを語った。

そのサニブラウンが意識しているのは、約3か月後と迫ったパリ五輪だけではない。今年は次世代を担う子供たちをメインとした独自の陸上大会「DAWN GAMES」を開催する予定と、パフォーマンス以外の部分でも、日本陸上界のレベルアップに尽力する。

そして来年9月には東京で世界選手権が開催される。ある日本陸連の関係者は「彼も普段から東京大会を盛り上げたいと言ってくれている」とし「東京五輪では無観客で、リレーではバトンもつながらなかった。有観客の世界選手権で知名度の高いサニブラウンが結果を出してくれたら、陸上界全体が一気に盛り上がるのは間違いない」と大きな期待を寄せた。

そのためにもまずはパリ五輪での活躍が求められる。日本陸上界の旗振り役として、さらなる進化を見せるか。

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