6年ぶりのツアーで大健闘の6位キープ “29歳のルーキー”石田可南子は「もうこの場所から離れたくない」

オールドルーキーの石田可南子が川奈で奮闘している(撮影:鈴木祥)

<フジサンケイレディス 2日目◇20日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6494ヤード・パー71>

9度目の挑戦で昨年のプロテストに合格した石田可南子が奮闘している。3バーディ、2ボギーの「70」で回り、トータル3アンダー。2日間のパーオン率は3位の80.56%と安定したショットを武器に、初日と同じ6位をキープした。

29歳でJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の会員となり、今季はここまで国内女子下部のステップ・アップ・ツアー2試合を経験。QTランク53位から繰り上げ出場で巡ってきたレギュラーツアー初戦での大健闘だが、「もう少し伸ばせたと思う。16番パー5でカップに届かなかった2メートルのバーディパットが一番悔しい」と連日のアンダーパーにも満足はしていなかった。

小学生のときに地元・兵庫で行われた国内男子ツアーを観戦したのがゴルフとの出会いだった。11歳でクラブを握り、高校はゴルフ部のある大阪学院大高に進んだ。「そこで仲良くなった友人がプロ志望。じゃあ私も」とゴルフを職業とすることを志した。プロテストは失敗の連続だったが、TP単年登録でプロ転向。下部ツアーには2017年に11試合、18年には16試合に出場した。

だが、19年のツアー規定改定で単年登録制が廃止され、プロテストに合格し、JLPGA会員にならなければツアーには原則出られなくなった。互いに励まし合って合格を目指した友人は25歳で夢を断念した。心は何度も折れそうになったが、ゴルフをやめる選択肢はなかった。

「時間はかかったけど、続けてきてよかった。一緒に頑張ってきた友人のためにも合格したかった。この年齢になってもやれる。同じような立場にいる人たちの励みになれるように頑張っていきたい」

JLPGAの公式記録には残っていないが、20年から3年連続で「日本女子オープン」にプロとして出場し、21年には44位、22年には59位になった。そのとき以来のツアーの舞台。「もう絶対にこの場所から離れたくありません」。

5月6日が30歳の誕生日。「なりたくないなぁ。30歳でルーキーなんて」。ちょっぴり顔を赤らめた苦労人は「予選通過が目標だったので、セーフティにいったところもある。最終日は攻めていきたい」と“新人”らしい攻撃ゴルフを誓った。(文・臼杵孝志)

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