本物の色彩、観客を魅了 印象派展が開幕

チャイルド・ハッサムの「花摘み、フランス式庭園にて」(1888年)をはじめとした名画が並ぶ会場。来場者が作品に見入っている =20日午前、郡山市立美術館(This exhibition was organized by the Worcester Art Museum)

 米国を中心とした印象派絵画の国際的な広がりに注目した展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」は20日、郡山市立美術館で開幕した。初日は県内外から大勢の美術ファンが訪れこれまで日本で紹介される機会の少なかった知られざる印象派の魅力に触れた。6月23日まで。

 郡山市立美術館、福島中央テレビ、福島民友新聞社でつくる実行委員会の主催。同展覧会は巡回展で、東北では唯一の開催となる。

 米マサチューセッツ州のウスター美術館に所蔵されている印象派画家の作品を中心に67点を展示。クロード・モネをはじめとするフランスの印象派に加え、米印象派を代表するチャイルド・ハッサムらの作品を一堂に紹介している。

 ウスター美術館所蔵53点のうち、ほとんどが日本初公開となった。モネの「睡蓮」(1908年)、ハッサムの「花摘み、フランス式庭園にて」(1888年)などの名画が並んでいる。

 近づくと繊細なタッチ、離れると生き生き

 「表現が美しい」「見応えがあった」。20日に郡山市立美術館で開幕した展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。誕生から150周年を迎えた「印象派」の世界に浸った来場者からは、感嘆の声が聞かれた。

 展覧会は全5章の構成で、フランスから米国などへと広がった印象派の歴史をたどっている。多くの作品はウスター美術館所蔵で、日本初公開。郡山市立美術館所蔵の斎藤豊作、太田喜二郎ら日本の画家たちの作品も紹介している。

 永山多貴子同美術館長は、「睡蓮」で揺らめくような水面(みなも)の表情を捉えたモネをはじめとする印象派の画家たちの特徴について「自分の目で日常に描く対象を見いだし、光や風など刻々と変化する自然の様を描き止めようとした」と説明。「季節感や自然への豊かな感受性に共感できるところが多い」と魅力を挙げる。

 その上で、「近づくと繊細なタッチが見え、少し離れると生き生きとした状況を捉えていることが分かる。近づいたり離れたりして、作品を鑑賞してみてほしい」と話している。

■会期 6月23日まで
■開館時間 午前9時半~午後5時(最終入場は同4時半)
■休館日 月曜日(29日、5月6日は開館)
■観覧料 一般1500円、高校・大学生、65歳以上1000円、中学生以下と障害者手帳を持っている人は無料

 平日鑑賞割引も

 平日来館者キャンペーンとして、23~26日と5月7~10日は通常650円の音声ガイドを500円で貸し出す。音声ガイドは声優速水奨さんがナレーターを務め、オフィシャルサポーターの俳優鈴鹿央士さんもスペシャルナビゲーターとして参加している。また、平日の来館者には特設ショップで当日のみ使える100円割引クーポンを配布する。

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