大凧、民家に落下…昨年の事故受け「大凧あげ祭り」で春日部市が対策発表 風速計設置などの安全対策作成

風を受けて大空に舞い上がる大凧=2023年5月3日午後、春日部市西宝珠花の江戸川河川敷

 昨年大凧が民家の屋根に落下した事故を受け、埼玉県春日部市は5月3日と5日に行われる「大凧(おおだこ)あげ祭り」で、会場に風速計を設置し大凧を引く距離を決めるなど落下防止対策に取り組む。18日、定例会見で発表した。

 大凧あげ祭りの会場は同市西宝珠花地域の江戸川河川敷。引き手が河川敷で川のある方向に一斉に走り出し、土手の上の大凧を揚げる。市は昨年の事故を受け原因を調査、落下防止に向け安全対策を検討していた。

 祭り実行委員会がある市観光振興課によると、昨年5月5日の祭りでは、大凧が風を受け浮上した後、土手上空で風向きが変わり、強い風が吹いたことで、大凧が土手の民家側に落下したという。

 市は落下防止策として、会場に風速計を設置。大凧あげに適度な風を風速6~8メートルとし、風速8メートル以上の場合は、大凧を揚げないことを決めた。また大凧を確実に河川敷に入れるため、土手から65メートルを目安に必ず大凧を引くなど安全対策を作成した。

 市は「去年の事故を踏まえ是が非でも事故がないように大凧を揚げたい。関係者一丸となって取り組みたい」としている。

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