「やっぱりすごいところ」 山下美夢有が海外メジャーを「楽しい」と感じるワケ

トータル1アンダー・暫定34位タイで第3ラウンドを終えた山下美夢有(撮影:南しずか)

<シェブロン選手権 3日目◇20日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

2年連続で日本ツアー年間女王の座につく山下美夢有は、海外で戦うメジャー大会を“満喫”している。「楽しんでやってますね。やっぱり難しいので、考えることが多くて。どのホールも気が抜けないです」。技術を試されるコースとの駆け引きなど、刺激に満ちた毎日だ。

例えば、アンジュレーションに富むグリーンもそのひとつ。「グリーンの傾斜が強いので、ショットがよくても距離感が合わないと3パットも出てしまう。しっかり練習でやって、あとはコースでイメージして打つだけですね」。そのなかで3日間の平均パット数は29回。まずまずの成績といえる。

また山下は4つあるパー5のうち、初日は3個、2日目は1個だったが、3日目は再び3個とこの3日間で計7個のバーディを稼いでいる。初日のラウンド後には「作戦通りです」と笑顔も見せていたが、ここも攻略ポイントのひとつ。

「比較的ティグラウンドが前だったり、下(フェアウェイ)が硬くて距離も出るのでグリーン近くまで行くことが多い。それでバーディが取れています」。第2ラウンドまでのパー5の難易度を見ると、4番(509ヤード)は16位、8番(526ヤード)は最もやさしい18位で、13番(552ヤード)は17位、18番(524ヤード)は15位と、いずれもチャンスホールになっている。逆に言えばここで落とさないことが重要になる。ちなみにここまで山下はパー5でのボギーはない。

それでも3日目を終えトータル1アンダーの暫定34位タイ。大きく伸ばせていないのが、メジャーの難しい部分でもある。「ここは“点”で打っていかないといけない。ちょっと曲がってしまうと、本当に難しい位置についてしまうので。なかなか難しいですね」。硬く、傾斜の強いグリーンでは、わずかなズレでもキックの仕方ひとつで、ボールの止まる位置は大きく変わる。そのためキャディとは、こんな確認をしている。

「パー4で少し短いショットとかではピンサイドを狙いたい気持ちも出てくるんですけど、いかにセンターとか、ちょっと余裕を持って打てるかどうか」。安全策も織り交ぜながら、予選通過を果たし、3日目には初のアンダーパーとなる「71」も記録した。その3日目は大雨をともなう雷雲発生もありラウンド途中で中断、そのまま順延になった。少し軟らかくなることも予想される最終日も、コンディション次第で攻め方を考えていく。

「日本も難しいところはあるけど、やっぱり海外メジャーってすごいところだなって思いますし、そこで上位で戦えたらもっともっと楽しい。また課題もたくさん見つかると思う」。シビアなショットを求められるようなゴルフが好きかと問われると、「なんか、楽しいですね。ハハハ」と明るい笑顔もこぼれた。今季は海外メジャーに積極的に参戦する意向を明かしているが、その理由の一端を感じさせる充実の3日間になっている。(文・間宮輝憲)

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