大谷翔平、1死満塁絶好機に空振り三振を自己解説「素晴らしいボール。せめてファウルが理想」

 試合後、取材に応じた大谷翔平(撮影・小林信行)

 「ドジャース4-6メッツ」(20日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手が「2番・指名打者」で出場し、2打数1安打3四球、1得点。6試合連続安打で打率を・359に上げたが、3点を追う六回1死満塁の絶好機に空振り三振。本塁打は12日のパドレス戦で4号を放って以降、7試合36打席で出ておらず、松井秀喜を超える日本人メジャーリーガー通算本塁打記録の更新は次戦に持ち越された。

 見送れば内側にはずれるボール球。カウント2-2から中継ぎ右腕スミスが投じた145キロカットボールに大谷の漆黒のバットが空を切った。

 前打席、五回は先頭で右翼線二塁打。打球にわずかでも角度がついていればスタンドインしていた紙一重のスイングだった。3点を追う六回1死満塁の絶好機。逆転満塁弾という最高の結果を期待していたファンは多かったはずだが、昨季の本塁打王は「ホームランを狙いにいく打席はない」と言い切る。

 空振りしたのは体に近い球。多少、ゾーンをはずれていても右翼席まで運べるスキルとパワーがある大谷ならスイングしたことに納得しているかと思いきや、「どんなシチュエーション(状況)でもボールは振らない、ストライクを振る」ときっぱり。「それはシンプルなので、あそこはテイクする(見送る)っていうのがベストの反応だったとは思いますけど、ボール自体は素晴らしいボールではあったので、せめてファウルというのが理想かなと思いますね」と自己解説した。

 この日は二塁打と3四球で今季自己最多の4出塁。直近17打席ノーヒットだった3番フリーマンが2本の適時打で3打点を挙げたが、4番T・ヘルナンデスが3三振と2四死球。チーム全体で4度の満塁機のうち3度で無得点に終わるなど、打線がつながらなかった。

 ドジャースの投手陣が苦しんでいる。打者へのプレッシャーは相当なはずだが、大谷は「ビハインド(追う展開)でのチャンスはもちろんプレッシャーはかかりますけど、逆に言えば、それだけ多くのチャンスをつくれているところは自信を持っていいんじゃないかなと思う」とポジティブ思考。「そこから先というのは、数をこなすことで改善されていくこともあるので、そこは個人個人のやり方次第かなと思います」と話した。

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