毎週2試合、マドリーとの死闘から中2日…マンC指揮官ペップが“非人道的”日程に怒り「容認できない。異常」「正直、この国は色々特別」

稀代の名将が不満をぶちまけた。

マンチェスター・シティは現地時間4月20日、FAカップの準決勝で、チェルシーと聖地ウェンブリーで対戦。長らくスコアレスで迎えた84分に、ベルナルド・シウバが値千金の一発を叩き込み、コベントリー対マンチェスター・ユナイテッドの勝者と戦う、決勝に駒を進めた。

ジョゼップ・グアルディオラ監督は試合後、英公共放送『BBC』の中継に出演。そこで批判の対象としたのが、度を超えた過密日程だ。シティは3月下旬の代表ウィーク明け以降、週2ペースで試合を消化。今回のチェルシー戦も、レアル・マドリー相手にPK戦までもつれ込んだ末に敗れた、チャンピオンズリーグの準々決勝からわずか中2日だった。

「容認できない。勝ったからこそ、言う勇気がある。選手の健康を考えれば、異常だ。どうやって今日を乗り切ったのか理解できない。コベントリー、チェルシー、ユナイテッドがミッドウィークにプレーしなかったのに、なぜ私たちが今日で明日ではないんだ? 選手の健康のために、なぜもう1日空けない?」

【動画】B・シウバがシティをファイナルに導く決勝弾!
もっとも、53歳のスペイン人指揮官は、自身の訴えで何かが変わるわけではないと、諦めている。

「我々の要求で何かが変わると思うか? 私が持っている唯一の力は、ここでの発言だ。何も変わらないよ。それは分かっている。私は正しい。常識だよ。特別な特権を求めているわけじゃない。もうこれ以上のミーティングはいらない。そもそも3日に1度試合があるわけだから、出席する時間もない。

来シーズンが終われば、クラブワールドカップがある。我々はとんでもなく幸せで、大金を手にし、信じられないほど名声を得ている。でも、選手たちを何日休ませられるんだ? 2週間休んで、またシーズンを始める。持続不可能だ」

世間では持続可能な開発目標「SDGs」がスローガンとして掲げられているが、その逆を行く、非人道的なカレンダーに我慢ならないようだ。グアルディオラ監督は皮肉たっぷりに「正直、この国では色々なことが“スペシャル”だ」とも口にした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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