安全面を確認「上げ馬神事」長い歴史で初の試走 壁はなくし坂もゆるやかに

By 三重テレビ放送

三重県桑名市の多度大社で行われている「上げ馬神事」が、動物虐待にあたると批判されている問題で、20日、安全面の確認や馬の不安を減らすことなどを目的に、上げ馬神事の長い歴史の中で初となる試走が行われました。

桑名市の多度大社で行われる「上げ馬神事」は、毎年5月に若者が馬に乗って坂を駆け上ったのち、約2mの壁を乗り越え、乗り越えられた回数でその年の農作物の出来などを占うもので、680年以上の歴史がある伝統的な行事です。

しかし2023年の神事の際に、転倒して骨折し、殺処分となった馬がいたことなどから動物虐待にあたるとして批判を受け、2024年の開催にあたり、馬の安全面などに関する対策を協議してきました。

その結果、2mの壁をなくすことや、坂を緩やかにすることのほか、神事に参加する馬に対し、事前に坂を上る練習をさせることなどが決まり、20日その試走が行なわれました。

試走には、実際に本番で走る9頭の馬が揃い、騎手には神事当日に馬に騎乗する乗り子のほか、馬術の選手など4人が参加しました。

壁が無くなったことから馬たちはスムーズに坂を上り切り、約2時間の試走は大きなトラブルなく終了。

関係者らは安どの表情を浮かべながら来月の神事に向けて準備を重ねていました。

試走に参加した関係者は「坂の角度がゆるやかになったので、去年より楽に上れると思います。去年も乗っているので、去年より安全に丁寧にできれば」「壁がなくなって初めての神事なので、どのくらいのスピードで坂を上がるのがベストなのか、どこからスタートするのがベストなのか、それにプラスして何も分からない馬にいきなりやらせてしまうこと自体が虐待になってしまうので、馬にこういう坂がありますよ、普通に行っても何の問題もありませんよと伝えたくてやった。そういう意味ではやって良かった」と話していました。

2024年の上げ馬神事は例年通り5月4日と5日の2日間で開催されます。

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