福井駅周辺の「ふくみち」キッチンカー出店伸び悩み運用見直し 新施設オープンでランチ需要が分散化

ランチタイムに好みの商品を買い求める人たち=3月7日、福井県福井市大手3丁目

 まちづくり福井は5月から、福井県福井市の福井駅周辺の道路空間活用に向けた「ふくみち」について、利用や出店が伸び悩んでいるとして運用を見直す。原則平日としていた開催を火、木曜に限定。キッチンカーなどの出店料は半額以下に引き下げる。

 ふくみちは、歩道空間の通行以外での利用を柔軟に認める国の「歩行者利便増進道路」(ほこみち)制度に基づいた事業。まちづくり福井が3月7日から運用を始めた。

 ただ、周辺では北陸新幹線開業に合わせて駅高架下の「くるふ福井駅」や再開発ビルのフードホール「MINIE(ミニエ)」などの商業施設がオープンし、当初想定していたランチ需要が分散化。まちづくり福井によると、4月18日までの平日30日間のキッチンカーなど有料出店は13事業者45回にとどまった。運用開始当初こそは3月7日は8店舗、同8日は7店舗と出店があったが、その後は全く出店が無かった日が11日間に及んだ。

 見直しでは、中央大通り(9区画)で火曜に、県庁線(4区画)で木曜に開催。午前7時~午後9時としていた出店可能時間は、午前10時~午後2時とランチ需要に特化した形に改める。また、伸び悩みの要因だった出店料について、1日3500円から1500円へ引き下げ。1カ月当たりの出店数に応じた割引も設ける。

 さらに、利用促進に向けた沿線企業の掘り起こしを強化。5500円分の食券を5千円で販売するプレミアムチケットなどの利便性をPRし、活用の輪を広げる。

 同社の担当者は「伸び悩みの結果、出店がまばらになるなど想定したにぎわいとはほど遠い現状だった。ワークショップなど幅広いジャンルの出店を組み合わせることも含め、にぎわう道路空間の創出につなげたい」としている。

 本年度は見直した制度で11月まで実施予定。利用者や出店者の意見を踏まえ、改善を進める。

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