4番が決めた 大分が延長11回雨中の激闘にサヨナラ勝ち 完投のエース「県大会から打ってくれていたので…」【高校野球春季九州大会】

タイブレークの延長11回2死一、三塁、右越えにサヨナラ打を放つ大分・川谷(撮影・中村太一)

◆高校野球春季九州大会1回戦 大分2―1北陵(延長11回サヨナラ)(21日・さがみどりの森)

10季ぶりに出場した大分が、地元勢の北陵(佐賀)に延長11回の雨の中の激闘を制しサヨナラ勝ちした。

試合が進むにつれて強まる雨の中、0―0のまま延長に突入。10回に守備の乱れから1点を先制されたがその裏に同点に追いつき、11表を無失点でしのぐと、その裏4番川谷諒暉(3年)の右越え適時打が飛び出した。サヨナラのヒーローとなった川谷は「高めに浮いた変化球を打ちました。あまり覚えていないです」と殊勲打を振り返った。

2年生の左腕エース木村拓孝は146球完投でチームを勝利に導いた。「県大会から川谷さんが打ってくれていたので、最後はやってくれると思っていました」と信頼する4番に感謝の言葉を贈る。今春からエースナンバーを背負い、春の大分大会で公式戦初完投を果たした。「11回まで投げるのは初めて」と言いながらも雨でぬかるむマウンドで「歩幅を小さくしてすべらないようにした」と冷静に工夫しながら投げ続けて最少失点に抑えた。

準々決勝は継続試合となった神村学園(鹿児島)と大牟田(福岡)の勝者との対戦。木村は「ストレートで攻める投球をしえていきたい」と意気込んだ。(前田泰子)

© 株式会社西日本新聞社