【特集】『Incursion Red River』はなぜヒットした?完全PvEの『タルコフ』ライク、リアルだけど少しカジュアルに

【特集】『Incursion Red River』はなぜヒットした?完全PvEの『タルコフ』ライク、リアルだけど少しカジュアルに

日々たくさんのゲームがリリースされる現代。その分話題になる作品も多いわけですが、「どうしてこのゲームは人気なんだろう?」と思ったことはありませんか?

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この連載では、ゲーマーから注目を浴びているゲームがなぜ人気になっているのかを分析します。記事を読んで、流行っているゲームに詳しくなっちゃいましょう。今回は、脱出シューター『Incursion Red River』をお届けします。

内戦状態のベトナムで奪い合い

本作は、内戦状態のベトナムを舞台としたタクティカル脱出シューターです。Battlestate Gamesの人気作『Escape from Tarkov』のフォロワーとなっており、同作に登場する要素はおおむね実装されています。

装備を整えてマップに出撃し、ミッションの達成や武器・装備の回収を行い、指定地点からの脱出を目指します。マップ上にはアイテムの入った箱が多数あり、銃弾から武器、売却アイテムなどさまざまなアイテムが手に入ります。しかし、マス目状になったインベントリには限りがあり、バックパックやベストを装備していないと使えません。装備のチョイスや、アイテムの取捨選択が求められます。

マップ上には敵が徘徊しており、見つかると戦闘になります。敵は環境を利用して賢く立ち回ってくるため、油断は禁物。敵に近づくと発する声や足音を頼りに位置を把握することが重要です。バランスは当たりどころが悪ければ一発で死ぬこともあるという、シビアさであり、死んでしまうと持っているアイテムはすべてロストします。

マップに点在する固定の脱出地点はいつでも脱出できるわけではなく、それぞれ指定された時間が経過する必要があるため、最後まで気が抜けないようになっています。

拠点ではミッションの受諾やアイテムの管理、トレーダーとの取引などが行えます。脱出シューターの特徴は、試合外でもアイテムの管理が発生するという点。どの程度しっかりした装備でいくか、どの程度トレーダーから購入するかなどの要素は本作にも存在します。

マップへの出撃は自分の所有する装備で挑むモードと、すでに用意された装備で挑むモードを選択できます。もし使える装備をほぼロストしてしまったとしても、出撃時に「Provided」を選択すれば用意された装備でプレイ可能。持ち帰れば、その装備も手に入ります。ただしこのモードではミッションを遂行できないため、自分の所有する装備で挑むことが基本となります。

なぜヒットした?

本作がヒットした理由は、とにかくPvEにこだわっているという点でしょう。このジャンルで人気の『Escape from Tarkov』や『Dark and Darker』『Hunt: Showdown』などはすべてNPCとプレイヤーが混在する“PvPvE”というスタイルを取っています。

敵プレイヤーがいることは緊張感につながりますが、裏を返せばその緊張感が苦手というプレイヤーも多くいます。『Tarkov』はすぐ死んでしまうリアルなバランスなので、とりわけそうした人も多いはずです。アカウントが所有しているアイテムがロストしてしまうという点も、対人戦への抵抗感を生んでいるひとつの要因と考えられます。

そんな中で登場した本作は、リアルなテイストはそのままに完全PvEで楽しめます。対人はなくともCo-opマルチプレイは楽しめるので、気軽にフレンドと遊べるところも注目すべき点です。

基本的には『Tarkov』のフォロワーでありながら、ところどころカジュアルになっているのもポイントです。マップを開くと自分の現在地や脱出ポイントの位置、ミッション地点などが表示されます。『Tarkov』では自分の位置や脱出ポイントがマップを見るだけではわかりませんが、本作では簡単に把握できます。

加えて、「Provided」モードに制限がないことも挙げられます。『Tarkov』での同機能に当たる「SCAV」モードは一度プレイするとクールダウンが発生するため、すぐ死ぬと連続プレイはできませんが、本作では無制限に楽しむことができます。

『Tarkov』は“ハードコア”らしさを追求し、そこでしか味わえない駆け引きを楽しませてくれます。しかし、そのハードコアなゲームプレイを誰もが楽しめるわけではありません。そんな中、ハードルを意図的に下げた本作が成功を収めたという事実は印象的な出来事です。

今後も人気は継続する?

本作は早期アクセスとしてリリースされています。そのため現状はコンテンツが少なく、ミッションやマップの種類に乏しい状態です。現状はリプレイ性がやや低めですが、コンテンツが増えていくにつれより深みが増していくでしょう。

今年の予定は、7つの武器と1つのマップ、そしてボス戦や防衛などミッションタイプの追加です。他にもルートシステムや敵AI、ヘルスシステムやアニメーションの刷新や拡張が行われる予定です。

PvPvEゲーム自体も、『ダンジョン・ストーカーズ』や『EXOBORNE』、『Arena Breakout: Infinite』や『SYNDUALITY Echo of Ada』など大手を含むゲーム会社が展開を予定しており、今後もさらに盛り上がりを見せそう。本作はそんな作品の中で「オアシス」のような息抜きとしてのポジションを築けるかもしれません。

『Incursion Red River』は、PC(Steam)向けに配信中。4月23日午前2時ごろまでは20%オフの1,520円という低価格で購入できるので、プレイしてみてはいかがでしょうか。

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