なぜ交代枠を2つしか使用しなかったのか。東京V城福監督が理由を明かす「自分たちのペースでやれている自負はあった」

[J1第9節]川崎 0-0 東京V/4月20日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

東京ヴェルディは4月20日、J1第9節で川崎フロンターレと敵地で対戦し、0-0で引き分けた。

前線からのハイプレスと、シンプルにロングボールで相手守備陣の背後を突く攻撃を仕掛け、ペースを掴んだ東京Vは、13分にFW染野唯月が決定機を迎えるが、川崎のGKチョン・ソンリョンに阻まれる。

34分にはFW木村勇大が、その4分後に染野がチョン・ソンリョンにプレスをかけ、ビルドアップのパスを引っかけるが、いずれもゴールには繋げられない。

スコアレスで迎えた後半は、川崎に押し込まれて決定機を与える場面もあったが、粘り強く守って得点を許さず。勝点1を分け合った。

【PHOTO】Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに集結した東京ヴェルディサポーター!
この試合で筆者が気になったのは、城福浩監督の5人交代枠の使い方だ。

先制点を奪うべく、先に動いた川崎が64分にFW小林悠とFW遠野大弥を投入するなか、東京Vもその3分後、足をつったMF齋藤功佑に代えてMFチアゴ・アウベスを入れる。

しかし、最終的には川崎が5枠すべてを使い切るのに対し、東京Vはその後、83分にFW山見大登をピッチに送り込んだだけ。城福監督はベンチ前でどうマネジメントしていくか悩んでいる様子を見せていたが、結局、交代枠は2つしか使用しなかった。

指揮官はその理由を、こう説明する。

「もちろん(選手の)足や疲れの状況はコミュニケーションを取りながら確認していましたけど、ピッチ上で表現しているものは、決して悪くなかった。

自分たちのペースでやれている自負はあったので、代えて新しいエネルギーを注入する選択肢も持ちながら、やれているものを継続することを選んだ」

確かに後半は、城福監督が選手たちを呼び寄せてコミュニケーションを取ったり、手振りで指示する回数が増えていたように感じる。最後まで得点は奪えなかったものの、リーグ戦では今季初のクリーンシートに導いた采配は見事だった。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

© 日本スポーツ企画出版社