デイ2も上位3台の接戦続く。トヨタ、エバンスとオジエが2&3番手「最終日も優勝争える」とラトバラ

 4月20日(土)、WRC世界ラリー選手権第4戦『クロアチア・ラリー』の競技2日目が首都ザグレブのサービスパークを中心に行われた。3台のトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2番手につけ、チームメイトのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が同じく表彰台圏内の総合3番手に。勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合6番手につけている。

 今季2024年最初のフルターマック(舗装路)イベントであるクロアチア・ラリーのデイ2は、午前と午後に各4本、都合8本のスペシャルステージ(SS)で争われた。この日は天候の悪化により雨が強く降る可能性が指摘されていたため、トップカテゴリーのラリー1では全車がウエットタイヤを選択肢に含めて午前中のステージに臨んでいった。

 しかし予報は外れ、午前中は雲こそ多かったものの路面は全体的にドライコンディションが保たれた。競技初日“デイ1”の最終ステージとなったSS8を終えた時点で、ヒョンデのティエリー・ヌービルと同タイムの総合首位で並んでいたエバンスは、この午前のループで若干の遅れを取りライバルと4.7秒差の2番手につける。またデイ1で上位2台と6.6秒差の3番手につけたオジエも、SS10でステージ優勝を飾るなど速さを見せるが、SS12を終えた時点でエバンスと6.6秒差の3番手と首位からはやや引き離されてしまう。

2024年WRC第4戦クロアチア・ラリー 勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 ミッドデイサービスを挟んで行なわれた午後の再走ステージは、マニュファクチャラーごとにタイヤ選択が分かれ、全車がウエットタイヤ2本を選びながらも、ドライタイヤに関してはTGR-WRTの3台は4本ともソフトタイヤをセレクト。他チームはソフトタイヤとハードタイヤをミックスして午後のステージに臨んだ。

 迎えた午後のループ。オープニングのSS13は降雨により路面が濡れて滑りやすくなり、ソフトタイヤが効果を発揮するコンディションに。エバンスはここでベストタイムを刻みヌービルを逆転し2秒差をつけて総合トップに躍り出る。しかし続くSS14ではヌービルが維持を見せエバンスを再逆転すると、これ以降、上位3台による僅差のバトルが続くなか順位変動はなくSS16まで終了。デイ2を終えた段階でのタイム差は首位ヌービルと2番手のエバンスが4.9秒、3番手オジエとは11.6秒となっている。

 総合6番手で競技二日目に入った勝田は、デイ2でペースアップに成功し計3本のステージで4番手タイムを記録した。全長20.77kmのSS10では、ベストタイムを記録したオジエとわずか0.4秒差だった。勝田はペースを上げながらも一日の最後まで安定した走りを続け、総合6番手の座を守っている。

「今日は非常にエキサイティングな首位争いが繰り広げられた。トップ3のドライバーたちのタイム差は、このような厳しいラリーでは信じられないほどの僅差だった」と語るのは、TGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「もちろん一日の終わりにはトップに立ちたいと思っていたし、我々のドライバーたちはとてもいい仕事をしたが、ヌービルがわずかにスピードで勝っていた」

「今日は誰もが降雨を予想していたし、タイヤ選択もそれを反映したものだった。チャンピオンシップのことを考る必要もあったし、今日は最速ではなかったが、土曜日が終了した時点で総合2番手と3番手という好ポイントを得られる位置につけている。午前中に正しい選択さえできれば、明日も優勝争いができると確信している」

 そのデイ3はザグレブの北側エリアで2本のステージを各2回走行する予定だ。そのうち、SS18の再走ステージとなる最終SS20『ザゴルスカ・セラークムロベツ2』は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。4本のステージの合計距離は54.78km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は382.49kmに上る。

総合6番手につけている勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2024年WRC第4戦クロアチア・ラリー
総合3番手につけているセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2024年WRC第4戦クロアチア・ラリー

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