韓国人観光客が張家界に殺到も、地元唯一の上場観光資源開発会社は依然赤字―中国メディア

中国湖南省の張家界市について、中国メディアの時代財経は18日、韓国人観光客で「超満員」も地元唯一の上場観光資源開発会社は依然赤字だとする記事を掲載した。

中国湖南省の張家界市について、中国メディアの時代財経は18日、韓国人観光客で「超満員」も地元唯一の上場観光資源開発会社は依然赤字だとする記事を掲載した。

湖南省の北西部に位置する張家界には、細長く切り立った多くの岩山が天空へ連なるように立ち並ぶ世界自然遺産の「武陵源」がある。ここは大ヒットした米SF映画「アバター」に出てくる舞台のモデルになったとも言われる。

湖南省文化・観光庁によると、同市が今年第1四半期(1~3月)に受け入れたインバウンド観光客は延べ26万1200人で、前年同期比57.58倍、コロナ禍前の2019年同期比44.44%増だった。うち韓国からの観光客はインバウンド観光客の40.23%に相当する延べ10万5100人で、前年同期比467.76倍、19年同期比27.07%増だった。

記事によると、今年に入り、SNS上では「張家界が韓国人観光客でいっぱいになっている」と話題になった。地元の旅行会社関係者によると、韓国人観光客の受け入れ数は昨年から増加傾向にあり、今年はさらに勢いが増しているという。

他方、地元で唯一の上場観光資源開発会社である張家界旅遊集団はこの恩恵を受けていないようだ。同社の第1四半期財務報告書によると、同期は4500万~5000万元(約9億4500万~10億5000万元)の損失見込みで、損失額は前年同期比で最大66%増という。

関係者によると、韓国人観光客の爆発的な増加が宿泊施設、景勝地区、交通事業をけん引し、同社の事業にプラスの影響を与え、業績につながっているものの、韓国人観光客の数は国内観光客のそれと比べるとまだ少ない。

同社が約20億元を投じて16年に着工した、単独投資として同市最大級の都市観光・文化プロジェクト「大庸古城」は開業延期を経て21年6月にプレオープンしたが、観光市場の低迷を受け、プロジェクトの後続の投資と運営は期待を下回り、23年は2億4900万元の損失となる見込み。また23年4月に締結した中国の商業施設運営最大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)との協力協定も、同社の資金繰り悪化の影響などにより今年1月に失効した。(翻訳・編集/柳川)

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