樹齢300年「東門ガジュマル」との別れを惜しむ 読谷村波平 住民ら「思い出ありがとう」

 沖縄県読谷村の波平自治会(知花安友会長)は14日、波平集落の東の入り口「東門(あがりじょー)」で老化のため倒れた樹齢約300年といわれる「東門ガジュマル」のお別れ会を開いた。高さ約20メートル、幹の太さは最大2.9メートルもある大木で「おきなわの名木百選」にも選ばれている。住民ら20人以上が続々と集まり「思い出をありがとう」と書かれた横断幕を掲げて記念撮影し、別れを惜しんだ。

 住民らは東門ガジュマルの前にさんぴん茶やコーヒー、花束を供え、思い出話に花を咲かせた。

 知花会長(65)によると、東門ガジュマルは7日午後10時半ごろに「バキバキ」という音をたてて、ゆっくりと倒れていった。立て直す案もあったが、子どもたちがよく木登りをするため危険と判断し、撤去を決めた。「寂しいが、撤去前に大勢で集まり感謝の気持ちを伝えたい」と話した。

 喜友名康英さん(59)は子どもの頃に木に登ったり、十五夜に月見をしたりした思い出を振り返り「長い間、区民を支えてくれた。ご苦労さまでした」とねぎらった。(中部報道部・又吉朝香)

老化のため倒れた東門ガジュマルを背に「思い出をありがとう」と感謝の意を示して記念撮影に納まる読谷村波平の住民ら=14日、同村波平

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