今季初のクリーンシートに「それが僕が出ている意味」。東京VのDF千田海人、29歳にしてJ1デビューを飾った川崎戦で存在感

[J1第9節]川崎 0-0 東京V/4月20日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

4月20日に行なわれたJ1第9節で、川崎フロンターレと敵地で対戦した東京ヴェルディは、0-0で引き分けた。

勝点3は掴めなかったものの、リーグ戦では今季初のクリーンシートを達成。城福浩監督も手応えを示した一戦で大きな存在感を示したのが、この日がJ1デビューとなったDF千田海人だろう。

2017年に当時J3だったブラウブリッツ秋田に加入した千田は、プロ2年目で定位置を確保すると、20年には主軸として秋田のJ2昇格に貢献した。

東京Vに移籍した昨季はJ2で12試合に出場するも、チームが16年ぶりにJ1を戦う今季は、まだ出場機会を得られていない状況が続いていた。そうしたなか、リーグ戦でフル出場を続けていたDF谷口栄斗が前節のFC東京戦で負傷し離脱を余儀なくされたため、出番が回ってきた。

【PHOTO】Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに集結した東京ヴェルディサポーター!
試合では、持ち前の対人とヘディングの強さを存分に発揮し、強靭なフィジカルとパワーを持つ川崎のFWエリソンに決定的な仕事をさせなかった。また、後半アディショナルタイムにはゴールこそならなかったものの、CKから惜しいヘディングシュートも放った。

29歳にして自身初のJ1のピッチに立った一戦を、千田は次のように振り返った。

「ずっとこの時を待っていました。良い準備をしてきた自信はあったので、ゼロで抑えられたのは収穫ですし、それが僕が出ている意味だと思う。勝ちたかったですけど、来週に向けて良い準備をしたい」

また、「普段から準備している選手がピッチでやれることを証明できたら、出場機会が少ない選手もそれが自信になって、普段の練習が間違っていないと思える。彼らの分も背負って証明したかった」と語り、この試合に懸けていた想いを明かす。

指揮官も千田のサッカーと向き合う姿勢を高く評価しており、試合後には「質も量も日本一でありたいと思っているので、日頃のトレーニングは相当激しいです。比較はできないですけど、これ以上はできないと感じるところまでやり続けている。その代表格が千田海人です。あれだけやったんだから、やれないわけがないという気持ちがほとばしっていました」と称えた。

千田は「まだまだここからです。シーズンはまだ中盤にも差し掛かっていないので、1年を通して最後に良いところまでいけるように頑張ります」と意気込む。背番号15のさらなる飛躍に期待だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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