詐欺被害未然に防いだ職員に感謝状 「SNS投資詐欺」が県内で急増 去年被害額は特殊詐欺の5倍に…【山形発】

「SNSを使った投資詐欺」の被害が山形県内で急増している。こうした投資詐欺の被害を未然に防いだとして、4月17日、金融機関の職員が警察から感謝状を贈られた。

専門家名乗る男の投資話を信じ込み…

寒河江警察署から感謝状が贈られたのは、「東北労働金庫 寒河江支店」の木村裕輔さん。

木村さんは3月19日、70代の女性がATMのコーナーでスマートフォンを操作しながら振り込みしようとしているのを不審に思い、話を聞いて詐欺に気がついたという。

それでも振り込みを続けようとする女性に対し、木村さんが根気よく丁寧な説得を続けたことで、女性は納得し被害を未然に防ぐことができた。

東北労働金庫 寒河江支店・木村裕輔次長:
LINEの記録を見ながら振り込みをしていた女性に「怪しいなんて言わないでほしい」と言われたが、長く話すうちに落ち着いてきて、お客さまも、だんだん「そうかな」という気持ちになっていった

女性は、SNSでやりとりをしていた専門家を名乗る男の嘘の投資話を信じ込み、指定された口座に50万円を送るよう要求されていた。

木村さんは「お預かりしている大事な預金をしっかり守り、未然に防ぐことができたことが一番良かった」と話す。

被害増…新手の「投資・ロマンス詐欺」

SNSを使った新手の特殊詐欺は、2023年から急増している。

有名な経済評論家の肩書をかたったり、投資アドバイザーの名前を借りて関係を深めて信用させ、指定した口座へ振り込ませるなどして金銭をだまし盗る、巧妙な手口だ。

山形県警によると、2023年、県内ではSNSを使った新手の「投資・ロマンス詐欺」の被害は42件、被害額は約4億2000万円となっている。これは「オレオレ詐欺」など、以前からある特殊詐欺の県内の被害額・約8545万円と比べ5倍にのぼる。

県警察本部生活安全企画課の加藤幸生企画担当補佐は、「投資を行う際は必ず、金融商品取引業者であるかどうか、金融庁のホームページなどで確認してほしい」と話す。

また、「『必ずもうかる』『元本保証』などの言葉で勧誘された場合は、怪しいと思って取引を止めて、必ず警察に相談してほしい」と呼びかけた。

(さくらんぼテレビ)

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