好感触もタイムに反映されず「複雑な気持ち」…角田裕毅、中国GP2日目もスプリント16位&予選19番手と苦戦

F1第5戦の中国グランプリは4月20日、午前にスプリント、午後に予選が実施され、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、前者は16位フィニッシュ、後者は19番手で今季初のQ1敗退を喫している。

フリー走行1回目から車のパフォーマンス不足に苦しみ、「何が起こったのか分からない」とまで語っていた角田は、19番グリッドからスタートしたスプリントではすぐにひとつ順位を上げたものの、レースの大部分をDRSトレインの中で過ごして16位止まり。そして迎えた予選でも、Q1のベストタイムは1分35秒746に止まり、早々に車を降りることとなった。

厳しい2日目を終えた後、彼はチームの公式サイト等を通して、「大変でした。今朝のスプリントでは、方向性を見つけて車を機能させようと努め、またより多くのことを理解しようとしましたが、まだ苦労しています」とネガティブに振り返り、以下のようにコメントを残している。

「データをチェックし、予選に向けて前進できたと感じていました。今は複雑な気持ちです。スプリント予選ではうまくまとめられなかったと感じましたが、今日の予選では、自分のラップにはかなり満足しています。週末中ずっとリアのグリップに悩まされており、ステアリングトレースを他車と比べて見ると、まるで車と戦っている感じです。それでも、エンジニアと一生懸命に取り組んで改善し、解決策を見つけようとしています。そして、彼らは僕を色々と助けてくれています」

「予選に臨む際、我々は自分たちのパッケージに対する答えを見つけたという自信と満足感がありました。自分自身のラップにはかなり満足していますが、その感覚がタイムに反映されていないので、まるで行き詰まっているような感じです。また19番手で終わったのは悔しいし、残念ですが、分析し、理解して、解決策を見つけようと思います。明日に向けて、より速いペースを見つけるために何かを変えなければなりません。そして、ポイントに近づけることを願っています」
一方、RBのレーシングディレクター、アラン・パーメインは、「ユウキに関してはまだ苦労しており、彼の車に何が起こっているのかは不確かだ。今夜、しっかりと調べることになる。この週末、ずっとデータを細かく確認してきたが、彼の車に問題や不具合は見つかっていない。よって、引き続き調査を続け、彼のためにできるだけ良い仕事をしようと思う」と、厳しい状況を明かした。
比較対象となるチームメイトのダニエル・リカルドは、新しいシャシーを導入した成果か、スプリントでは11位フィニッシュ、予選はQ2進出を果たしての12番手と、ここまで全セッションで角田を上回っている。イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』もこの点に注目し、「予選でも、リカルドはチームメイトより前に位置している。新しいシャシーは彼にとってうまく機能しているようで、彼は自信を取り戻し、トップ10を目指している」と綴っている。

英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「予選後の角田のフィードバックは、リカルドがシーズン序盤にたびたび語ったことと同じであり、彼は車のポジティブな感覚がラップタイムに反映できていないことを示した」とレポート。チーム内対決については、リカルドの優勢を認めながらも、「リカルドはいつも通りで、角田が苦戦している」と指摘し、オーストラリア人ドライバーが進歩を遂げたかどうかを判断するのは時期尚早だとした。

最後に、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「ユウキはQ1で19番手に終わり、ここまで3回続けていた連続Q3進出に終止符を打った」と伝えたが、ここ数戦とは打って変わっての苦戦ぶりを見せる角田が、決勝でどれだけ挽回できるかが興味深いところである。

構成●THE DIGEST編集部

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