長谷川博己『アンチヒーロー』は第2の『VIVANT』に 巧妙な伏線と逆転パラドックスが呼ぶ考察合戦必至

長谷川博己(C)ピンズバNEWS

長谷川博己(47)主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系/毎週よる9時)の第1話が4月14日放送にされ、平均世帯視聴率が11.5%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調発進。偶然にも、同枠で昨年7月期に放送さた大ヒット作『VIVANT』の初回と同じ数字となった。

同ドラマは、たとえ犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取る、“アンチ”な弁護士・明墨正樹(あきずみまさき、長谷川)が主人公で、同僚の弁護士を北村匠海(26)と堀田真由(26)、検察官を木村佳乃(48)が演じる。視聴者に「正義の反対は、本当に悪なのだろうか?」と問いかけるようで、一般的なリーガルドラマとは違いそうだ。

第1話は、工場の従業員・緋山啓太(岩田剛典/35)が、経営者を殴り殺した事件が発生。凶器や返り血を浴びたジャンパーは見つかっていない。調査を進める中、明墨は「証拠の数は多ければ多いほどいい。本当に罪を起こしたかどうかは、我々に関係ない」と発言し、新入りの赤峰柊斗(北村)を驚かせる。

明墨は、第一発見者の従業員・尾形仁史(一ノ瀬ワタル/38)に接触。尾形の証言はよどみなく、検察の入れ知恵が入っているようだ。やがて裁判が始まり、明墨は被害者の5歳の息子を証言台に立たせる。息子は家に入ったボールを緋山に取ってもらったと証言し、殺害現場にあった緋山の指紋の証拠能力に疑いが出たが……という展開。

登場人物のキャラ設定など、ドラマの概要を説明する回で、裁判の結果は次回に持ち越しになったが、それでもX(旧ツイッター)上では、《犯人を無罪に持っていくやり方が危なっかしいけどワクワク、そう来たかーって驚きたい》などと、期待の声が多い。

■考察合戦が始まりそう

「事件の真相を追いながら説明的な描写もして、次回への興味をつなげるようバランス良く見せていました。明墨(長谷川)の過激な言動の本心、検察官・緑川(木村)と明墨の関係、検事正・伊達原(野村萬斎/58)の明らかな明墨への敵対心、従業員・佐藤(前原瑞樹/31)の怪しい動きなど伏線もいろいろ張り巡らされていて、どう回収されるのか楽しみです」(ドラマライター/ヤマカワ)

公式サイトの“相関図”には、今後、登場予定の俳優が大量に掲載されている。初回ラストに登場して視聴者を驚かせた、獄中の男役の緒形直人(56)のほか、和田聰宏(47)、迫田孝也(47)、渡邊圭祐(30)、早見あかり(29)など癖のある顔ぶれで、壮大なストーリーになりそうな予感がする。

「数多くの伏線に加え、ドラマの説明コピーに《前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメント》とあり、視聴者の考察も盛り上がるはずです。『VIVANT』も考察の盛り上がりと視聴率が比例して上がっていたので、『アンチヒーロー』も今後の展開次第で、『VIVANT』並みのヒットになる可能性は高いのではないでしょうか」(前同)

脚本家の4人(山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平)だけでなく、出演者も、現段階で14人の俳優が『VIVANT』とかぶっている本作。初回の視聴率の一致はただの偶然なのか……数字の伸びととともに、今後の展開に注目したい。

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