【日本橋】ブランクーシ 本質を象る@アーティゾン美術館 2024年7月7日まで

日本橋にあるアーティゾン美術館では「ブランクーシ 本質を象(かたど)る」が2024年7月7日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

コンスタンティン・ブランクーシ(1876-1957)

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《コンスタンティン・ブランクーシ》1924年

(撮影:キャサリン・ドライヤー)、石橋財団アーティゾン美術館

ルーマニア出身の20世紀を代表する独創的な彫刻家。ブカレスト国立美術学校に学んだ後、1904年にパリに出て、ロダンのアトリエに助手として招き入れられるも、短期間で離れ、独自に創作に取り組み始めます。ブランクーシは主に人の頭部や鳥などをモチーフとし形状はよりシンプルな作風です。20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与え、ミニマル・アートの先駆的作品も残しています。

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日本の美術館で開催される初のブランクーシ展

20世紀彫刻を代表する作家としてブランクーシの名は知られながらも、その彫刻作品を主体とする大規模な展覧会は、これまで日本の美術館で開催されておらず、本展が初めての機会にあたります。

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会場展示風景

初期から後半期まで、約20点の彫刻作品が国内外より集結

日本の美術館で開催される初のブランクーシ展は、ブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館等より借用の彫刻作品約20点に、絵画作品、写真作品を加えた、計約90点で構成されています。

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コンスタンティン・ブランクーシ《眠れるミューズ》1910-1911年頃、石膏、19.0×28.0×19.5cm、大阪中之島美術館(5月12日まで展示)

ブランクーシは、1904年にパリに出て、ロダンのアトリエに助手として招き入れられますが、短期間で離れ、独自に創作に取り組み始めるようになります。ブランクーシは、粘土などで原型を制作し石膏原型をもとにして彫刻を制作する方法とは異なり木や石の直彫りでよりシンプルな造形の手法を確立していきました。

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コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》1926年(1982年鋳造)、ブロンズ、大理石(円筒形台座)、石灰岩(十字形台座)、132.4×35.5×35.5cm、横浜美術館

ブランクーシのアトリエ

本展の見どころのひとつはブランクーシのアトリエを模した展示スペースです。

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会場展示風景

ブランクーシは、作品との調和、台座、距離、光の当たり方などを計算し、作品の位置にもこだわりを持っていました。展示スペースではパリのアトリエの採光もイメージしています。

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コンスタンティン・ブランクーシ《アトリエの眺め、「無限柱」、「ポガニー嬢Ⅱ」》1925年、ゼラチンシルバープリント、東京都写真美術館

20世紀彫刻を代表する作家としてブランクーシの名は知られながらも日本の美術館で開催されるのは今回が初めてとなる展覧会でブランクーシによる絵画作品や写真作品も紹介されています。ブランクーシのアトリエの空間を再現した展示スペースもあり彼の創作活動の全体が紹介されている貴重な展覧会となっています。

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