自転車事故で入院の36人、全員がヘルメット未着用 福島県郡山地方広域消防組合2023年度管内統計

 福島県郡山地方広域消防組合は、2023(令和5)年度に管内で起きた自転車事故による救急統計をまとめた。入院が必要なけがをした36人のうち12人は頭部を負傷し、全員がヘルメット未着用だった。自転車利用時の着用が努力義務化されて1年。改めてヘルメットの有用性が示された。

 2023年4月から2024年3月まで郡山市、田村市、三春町、小野町の管内4市町で起きた自転車事故をまとめた。救急搬送【グラフ①】は現場処置などで搬送されなかった人を含め197人。このうちヘルメットをしていたのは34人、17.3%、未着用は163人、82.7%だった。

 けがの程度【グラフ②】は軽症が161人、81.7%、中等症は29人、14.7%、重症は7人、3.6%だった。入院が必要なけがをした36人のうち、12人は頭部を負傷していた。ヘルメットを着用していた34人には、頭に大けがをした人はいなかった。同組合は「ヘルメットが、けがの程度を和らげているのではないか」としている。

 年齢別の搬送者は15歳~19歳が最も多い60人で、30.5%を占めた。65歳~69歳が17人、8.6%、10歳~14歳と70歳~74歳がそれぞれ16人、8.1%などだった。搬送者が最も多かった15歳~19歳でヘルメットをしていたのは1人で、着用率は1.7%にとどまった。高校生を中心とした世代の着用率向上が急務といえる。

 事故の発生時間は通勤通学の午前8時台が29人、14.7%と最も多く、午後3時台が21人、10.7%、午後4時台が19人、9.6%などだった。

(県南・郡山版)

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