勤続25年で退職金はまさかの「800万円」…!大手企業なので「勝ち組」だと思ってたのですが…。

勤続25年の退職金平均はどれくらい?

厚生労働省の「令和5年就労状況調査の概況」によると勤続25年~29年の退職金は表1の通りです。

表1

※厚生労働省「令和5年就労状況調査の概況」を基に筆者作成

これらの金額は、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者を対象にしています。
最終学歴によって退職金が異なり、大学・大学院卒業の方は金額が高い傾向にあるようです。

勤続25年の退職金が800万円の場合、平均的な数値でみると、大学・大学院卒の場合は少なく、高卒の場合は多いといえるでしょう。

退職金の求め方

厚生労働省 労働基準局監督課「モデル就業規則(令和5年7月版)」によると、退職金の支払いは義務付けられていない、とされています。
退職金は、勤務先に退職金制度がある場合に受け取れます。

退職金制度には主に、退職一時金・退職金共済・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金の4種類があり、受け取り方法には退職金を一括で受け取る退職一時金と、退職後数年にわたって受け取る企業年金の2種類があります。

退職一時金制度は次のような方法で計算されます。

<定額制>
退職金を勤続年数から算出する方法。
退職前の給与や役職による金額の差はなく、勤続年数が同じなら退職金支給額も同じになります。

<基本給連動型>
勤続年数と退職時の基本給を基に算出する方法。
基本給に勤続年数ごとの支給係数をかけて算出しますが、自己都合退職の場合は支給額が少なくなるケースもあるようです。

<別テーブル制>
退職時の役割・勤続年数・退職理由に応じて退職金を算出する方法。
退職金は勤続年数や役職により異なり、基本給は関係ありません。

<ポイント制>
勤続年数・退職時の役職・会社への貢献度に応じたポイントを基に算出する方法。
勤続年数だけで退職金を計算しておらず、近年導入する企業が増えているようです。

退職金は会社により算出方法や支給率が異なるため、気になる方は担当部署などに確認するといいでしょう。

勤続25年で退職金800万円は大学卒の場合少ない可能性がある

上記調査によると、勤続25年で800万円の退職金は、大学・大学院卒の場合は少なく、高卒の場合は多いといえることが分かりました。

勤務先に退職金制度がある場合は退職金を受け取れますが、退職金の算出方法や支給係数は会社により異なります。

ご自身の退職金の金額が気になる方は、勤務先の担当部署などに確認してみましょう。

出典

[厚生労働省
令和5年就労条件総合調査結果の概況(18ページ)](https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/index.html)
労働基準局監督課 モデル就業規則(令和5年7月版)(74ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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