日本とは違う雰囲気に驚き! イギリスのカメラショーへ行ってきた

By 柴田 誠

イギリス・バーミンガムで開催されたカメラショー「The Photography & Video Show 2024」に行ってきた。日本のCP+とはいろいろと違いを感じた会場の様子をお伝えしよう。

目次

  • 久々にヨーロッパのカメラショーへ
  • 日本のカメラ・レンズメーカーも出展
  • これが英国流! 日本のカメラショーとはココが違う
  • こんなの見つけた! 会場で気になった注目アイテム

久々にヨーロッパのカメラショーへ

2024年3月16日 (土) 〜19日 (火) の4日間という会期の「The Photography & Video Show 2024」。最終日が撤収日になっているイベントは少なくないが、週末から始まって火曜日までというのは珍しい。

日本にいると、海外のイベントに関してほとんど情報が入ってこないので、いったいどんなイベントなのか、規模も内容もほとんどわからない状況の中、とりあえずプレス登録を申請すると、数日後にメールでプレスパスが送られてきた。円安ということもあって、日本から取材に行く人はほかにいそうにない。

ヨーロッパのカメラショー取材は、「フォトキナ」「フォトピア・ハンブルク」とドイツだけだったので、イギリスでの取材は初めてだ。ちなみに入場料は大人1日24ポンド (当時の為替レートで約4,600円)、学生は無料となっている。

2014年から始まった「The Photography & Video Show 2024」。会場のナショナルエキシビションセンター (NEC) は、バーミンガムの空港に隣接する巨大な展示会場だ。「The Photography & Video Show 2024」は20ホールあるうちの2ホールで開催されていて、ほかのホールでも展示会や設営準備が行われていた。「フォトキナ」の会場だったケルンメッセよりも広大だ。ロンドンから電車で2時間ほどのバーミンガムは、ロンドンに次ぐイギリス第2の都市。サテライト都市として、さまざまな展示会の主要な会場になっているようだ。

日本のカメラ・レンズメーカーも出展

会場内は天井があまり高くないせいもあって、CP+のように大きなブランドロゴは掲げれられていない。そのため、メーカーのブースがすぐには見つけられなかった。会場構成は全体的に地味な印象だったが、来場者は想像以上に多く、どのブースも賑わっていた。

■OM SYSTEMブース

OM SYSTEMのブースはウッディな山小屋風。ネイチャーフォトを意識しているようだ。コンパクトなブースということもあって、スタッフと来場者の距離が近いのが印象的だった。

■キヤノンブース

鮮やかな赤いコーポレートカラーのユニフォームを着たスタッフたちが目立つキヤノンブース。タッチ&トライブースは超満員。大判プリンターのデモがあったり、プロサービスのCPSが単独でブースを出していたり、ブースの規模では最大だった。会員向けの「EOS magazine」やEOSブランドのグッズも販売されていた。

■シグマブース

白で統一されたシグマブースは、円形のカウンターを配した構成だ。中央のタワーは各種レンズが突き刺さっているようなデザインで、来場者のリクエストに応じてスタッフが取り出すシステムになっている。合理的でインパクトもあるブースだ。

■ソニーブース

セミナーが充実していたソニーのブース。連日、セミナーのプログラムが組まれていた。

■タムロンブース

シンプルなタムロンのブース。正面のカウンターはレンズバーになっていて、気になるレンズを試すことができた。ショーケースにはソニーEマウント、ニコンZマウント、富士フイルムXマウントの各レンズがマウントごとに展示されていた。

■ニコンブース

セミナーや撮影コーナーが充実していたニコンのブース。開放的なブース構成で、どこまでがニコンのエリアか分かりにくかったほど。「Z fc」のカラーバリエーションも来場者の注目を集めていた。

■富士フイルムブース

富士フイルムのブースは、通路をはさんでタッチ&トライコーナー、セミナーコーナー、プリントコーナーなどに分かれていた。キッチンカーようなスタイルで “チェキ” のプリントサービスを体験できるデモカーの前には長い列ができていた。

これが英国流! 日本のカメラショーとはココが違う

■販売店では中古の買い取りも

会場にはメーカーブースだけでなく、いくつもの販売店が出展していた。気になるカメラやレンズをメーカーブースで試したあと、隣のブースですぐに購入できるというわけだ。また、販売店は中古の買い取りをしていたのも日本と大きく違う点だ。持ってきたカメラやレンズを下取りに出して、最新機種に買い替えて帰るということもできてしまう。中古もどんどん売れていくので、下取り後すぐにショーケースに並べられているものもあった。

■休憩コーナーが充実

休憩コーナーの充実ぶりがすごい。平日にも関わらず、街中のカフェのような賑わいをみせていた。とにかく年配の来場者が多い。そしてみんな元気だ。

■女性の来場者が多数

女性の来場者が多いというのも特徴の一つ。夫婦や友達と一緒に来ている人ばかりでなく、1人でセミナーに参加したり、カメラを購入している人もよく見かけた。イギリスは、女性のカメラ人口も少なくないようだ。

■ツアー会社や自然保護団体もブース出展

ツアー会社も出展していたが、野生動物への関心が高いお国柄ということなのか、サファリツアーやネイチャーフォトツアーが多い。アジアでよく見るブライダルの前撮りツアーのようなものは見かけない。WWFなど自然保護団体もブースを出展していたのが印象的だった。

■撮影モデルはワンコ!

動物好きの国民性を反映してか、撮影デモの被写体は女性よりも犬が多かった。訓練された犬たちは、大勢の人に囲まれていてもおとなしく、ちゃんとポーズをとっていたのがすごい。

■最終日のセールが人気

販売店では、最終日には会場価格からさらに値下げして販売するのが恒例になっている。価格表も書き換えられていた。それを目当てに来る人もいるようで、最終日が平日でも、あまり来場者が減った印象はなかった。私も勢いでカメラを買ってしまおうかと思ったが、円安のため、計算してみると日本で買ったほうが安いので踏みとどまった。

こんなの見つけた! 会場で気になった注目アイテム

■マンフロットの撮影アクセサリーがバイクに!?

マンフロットのブースに展示されていたのは、一瞬バイクと見間違えそうなオブジェ。タイヤ以外のパーツはマンフロットのアクセサリーで構成されている。会場で来場者の注目を集めていたもののひとつで、映えスポットになっていた。

■カラフルなレザーのカメラハーネス

ハーネスタイプのカメラストラップを販売していたのは、The Leather Rebel (ザ・レザーレベル)。本革製で、カラーバリエーションも豊富に用意されていた。

■おしゃれなデザインのLEDライト

Hobolite (ホーボライト) のおしゃれなLEDライト「Mini 20W Bi-Color」。バーンドアやディフューザー、カラーフィルターなど多彩なアクセサリーが揃っていて、本格的なライティングができる。本体と同じデザインの外部バッテリーが用意されていて、専用ケースにパッケージされているのも魅力的だ。

■マクロ撮影用のライティングシステム

Adaptalux (アダプタラックス) のマクロライティングシステム「Adaptalux Studio」。フレキシブルなライトアームを使って、ピンポイントのライティングができる。アプリによるコントロールも可能だ。

■ユニークなピンバッジを発見!

各社のフィルムを販売していた、Analog Wonderland (アナログワンダーランド) のブース。個人的にはカウンターの片隅で売られていたピンバッジのほうが気になった。

ローリング・ストーンズのマークかと思いきや、舌がフィルムになっている!

■撮影テクニック本も買える

写真のテクニック解説書も大人気。イギリスではまだまだ紙文化が健在のようだ。

■レトロな木目調の撮影システム

Everybooth (エブリブース) の撮影システム「ICON (アイコン)」。ポータブルなプリクラといった感じで、どこでも手軽にセルフポートレートが撮影できる。木製のボディには照明とタッチスクリーンを装備。カメラの前を通りかかったら、自分が映っていてびっくりした。

次回の「The Photography & Video Show 2025」は、ロンドンのコンベンションセンター ExCeL London (エクセル展覧会センター) に会場を移して開催される。会期は2025年3月8日〜11日の予定だ。

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