真備に「幸せの黄色いポスト」 昔ながらの円筒形 29日お披露目

西日本豪雨の復興支援として松江殿町郵便局から寄贈されたポスト。黄色く塗装し「幸せの黄色い丸型ポスト」と名付けた

 2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区にある「マビ昭和館」前に、昔ながらの円筒形の郵便ポストが設置された。復興に役立ててほしいと、松江市の郵便局が倉敷の市民グループを通じて寄贈。黄色く塗装され、レトロな車や生活用品を集めた昭和館の目玉の一つとして注目を集めそう。29日にお披露目式がある。

 ポストは松江殿町郵便局(松江市)が災害直後、倉敷の市民グループ「ご当地レトロポストを実現する会」に、新たな観光資源になればと寄贈を打診。同会メンバーが復興ボランティアに通ったマビ昭和館のコンセプトにマッチすることから、同館に贈ることになり、日本郵便(東京)や地元との調整を経て設置が決まった。

 昭和にヒットした映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」になぞらえ黄色に塗り直し「幸せの黄色い丸型ポスト」と名付けた。高さ155センチ、直径40センチ。はがきなど郵便物を投函(とうかん)することはできない。設置経緯を記したバス停風の看板も立てた。

 お披露目式は午後1時からで、この日はイベントも開かれる。6月からは絵手紙ワークショップを定期開催し、能登半島地震の被災地に向けて応援メッセージを送る予定。

 昭和館の丸岡律夫館長(82)は「復興に向かう真備からアナログコミュニケーションの良さを発信したい」、同会の石井駒治郎代表(78)は「今後ファンを増やし、郵便機能を加えられるようにしたい」と願う。

 昭和館は毎月第1、3日曜のみの開館(有料)だが、ポストはいつでも見学できる。

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