まさに「酔うご飯」! 原料米を最大限に生かす精米歩合90%、老舗酒蔵の挑戦実る 「新生力士純米酒」誕生

もろみに櫂(かい)入れをする小森順一社長=埼玉県加須市騎西の釜屋

 清酒「力士」の醸造元で知られる埼玉県加須市騎西の老舗酒蔵「釜屋」で、食べるお米で醸す「新生力士純米酒」が開発された。クラウドファンディング(CF)サイトMakuakeで先行発売したところ、開始2時間で目標金額を達成した。5月20日までCFを行い、7月から一般販売する予定。

 釜屋は寛延元(1748)年創業で、276年の歴史を持つ。小森順一社長(44)は「創業276年目の挑戦で、当社の『力士』の製法、味わいを見直し、1年がかりで磨きをかけてきた」と、新生力士に懸ける意気込みをのぞかせた。

 新生力士は、しっかりとした味わいながら、飲み飽きないすっきりとした食中酒がコンセプト。原料米には加須産の「彩のきずな」を使用。精米歩合を90%にすることでロスを抑え、原料米を最大限に生かしている。

 小森社長は「家庭で食べられている彩のきずなが90%ぐらいの精米なので、それと同じ状態の彩のきずなで仕込んでいる。低温、低精白、低アミノ酸の醸造技術で生まれる挑戦的なお酒。まさに『酔うご飯』」と紹介した。

 新生力士のラインナップは2タイプ。一回火入れの「力士純米」は、派手さはないが落ち着いた味わい。無ろ過生原酒の「力士純米」は、生酒のフレッシュさと無ろ過原酒の飲み応えがある。

 パッケージデザインも刷新し、米と水を表現したシンプルなデザインにした。問い合わせは、釜屋(電話0480.73.1234)へ。

© 株式会社埼玉新聞社