『THE SECOND』「ノックアウトステージ16→8」1日目 囲碁将棋、マシンガンズ散る

結成16年以上の漫才師による頂上決戦『THE SECOND』(フジテレビ系)の本戦出場をかけた「ノックアウトステージ16→8」の1日目が20日に行われ、まずは5月18日の生放送に進む8組中4組が決定した。

「グランプリファイナル」にコマを進めたのは、タモンズ、ハンジロウ、タイムマシーン3号、ガクテンソク。いずれもファイナル初進出となるコンビだ。昨年準優勝のマシンガンズ、ベスト4の囲碁将棋が敗れる波乱があった。

「ノックアウトステージ」の審査は、一般観覧者による投票制。100名が「とても面白かった:3点」「面白かった:2点」「面白くなかった:1点」で採点し、その合計点で競われる。今回はその結果を振り返りながら、『THE SECOND』ファイナルに臨む勝者たちのキャリアを簡単に振り返ってみたい。

■Aブロック

●ダブルアート:244点×タモンズ:288点〇

大宮ラクーンよしもと劇場を拠点とする「大宮セブン」の一員であるタモンズが、まずは勝ち上がり。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)王者のマヂカルラブリーをはじめ、すゑひろがりず、GAG、ジェラードンなど賞レースファイナリストがずらりと並ぶ大宮セブンにおいて、「最後の売れ残り」といわれるコンビ。

コンビ結成から6年後の12年と翌13年には『THE MANZAI』(フジテレビ系)の認定漫才師に選ばれたが、『M-1』ファイナルには縁がなく準々決勝が最高戦績となる。

19年には「つき」に改名。1人加えてトリオになるか、もしくは解散という危機もあったが、翌20年には「タモンズ」に戻して再始動。今回のファイナル進出は、まさにセカンドチャンスとなる。

■Bブロック

〇ハンジロウ:279点×リニア:272点●

ともに東京の地下ライブを根城にしており「新宿バッシュ対決」とも呼ばれたハンジロウとリニアの対戦は、接戦の末ハンジロウに軍配が上がった。ハンジロウというコンビ名には聞きなじみがないが、22年まで「しゃもじ」として活動してきたコンビだ。

08年に沖縄から上京、早々にフジテレビ系『新しい波』の流れをくむ『ふくらむスクラム!!』に抜擢され、かまいたちやニッチェとともにレギュラーメンバー入りを果たした。10年には『キングオブコント』(TBS系)で準決勝に進出するなど順調なスタートを切った。

その後も『キングオブコント』では2度準決勝に進んでいるが、ここ4年は準々決勝どまり。マセキ芸能社にとっても、昨年の三四郎が果たせなかった事務所初の賞レース制覇という期待がかかる。

■Fブロック

●囲碁将棋:275点×タイムマシーン3号:280点〇

昨年ベスト4入りを果たし、一気に仕事を増やした囲碁将棋を下したのはタイムマシーン3号。この対決が「売れっ子同士の対戦」に見えるくらい、囲碁将棋は売れたし昨年の『THE SECOND』にも意味があったということだ。

『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)での無双時代から2度の『M-1』ファイナルを経て、すでに全国区の知名度を獲得しているタイムマシーン3号だが、漫才への情熱は衰えていない。

円熟味さえ感じさせる技術に加え、華やかなタレントオーラも見えてきた2人だけに、間違いなく優勝候補の一角と言えそうだ。

■Gブロック

●マシンガンズ:267点×ガクテンソク:293点〇

昨年、同大会の「32→16」でマシンガンズに敗れたガクテンソクがリベンジを果たした。293点は、2年を通しての大会最高得点となる。

05年にアマチュアコンビ「学天即」として出場した『M-1』で準決勝に進出。その後も毎年のように拠点としていた関西の賞レースに顔を出し、『THE MANZAI』でも3度のファイナルを経験。14年には「上方漫才大賞」新人賞、15年には『ytv漫才新人賞』で優勝を果たすも、『M-1』ファイナルには縁がなく、ラストイヤーの20年も準決勝に散った。

21年に「ガクテンソク」に改名。昨年春には拠点を東京に移したが、ボケのよじょうは新居に国分寺を選ぶなど、相変わらずネタには事欠かないコンビだ。

* * *

タイムマシーン3号はもちろん、ほかの3組も「売れかけた」タイミングは確かにあった。昨年はマシンガンズの西堀亮が「セカンドは俺たちのための大会だ、むしろ滝沢はゴミがあるから俺の大会だ」と宣言して準優勝まで駆け上がりブレークした。今年のセカンドドリームは、どのコンビに微笑むだろうか。

(文=新越谷ノリヲ)

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