3月まで香椎駅員のJR九州・梅津志悠が8年ぶりの3位 乗客や会社の応援支えに躍進「恩返しをしたい」【柔道全日本女子選手権】

4回戦で梅津志悠(右)は長谷川瑞紀から一本を奪う(撮影・伊東昌一郎)

◆柔道 全日本女子選手権(21日、神奈川・横浜武道館)

初戦でV候補を破るなどした梅津志悠(JR九州)=大分県中津市出身=が3位と躍進。2回戦で前年覇者の梅木真美(ALSOK)=大分県九重町出身=に対して開始から積極的な攻めを披露。終始主導権を握って、最後は崩れけさ固めで見事な一本勝ちを収めた。

準決勝では優勝した瀬川麻優(ALSOK)に判定負けとなったが「自分らしい柔道はしっかりできたと思う。素直にうれしい」とうなずく。3位は実業団の強豪チーム・三井住友海上に所属していた2016年大会に並ぶ自己最高成績ともなり「8年になるのか…」と感慨深げな表情を浮かべた。

福岡・敬愛高出身。3年時には金鷲旗を、今回準優勝となった1学年下の児玉ひかる(SBC湘南美容クリニック)=宮崎県国富町出身=らとともに制した。卒業後は三井住友海上で競技に取り組んでいたが2年前に退社。地元九州に戻る決心をした。「環境を変えてやってみたい思いがあった。九州でずっと応援してくださる方々がいて、恩返しをしたい思いがずっとあった。ご縁があってJR九州に入社させていただき、すごく応援していただいている。柔道にも理解をしてもらっている」とサポートしてくれる周囲に強い感謝を示す。

今年3月までJR香椎駅で勤務していた。乗客の案内などの業務に従事し「『柔道頑張ってね』と声をかけてくださる方もいたりして、とても励みになる」と笑顔を見せる。4月から総務部に異動。変わらず忙しい日々を過ごすが、この充実した時間をさらなる結果につなげていきたい思いがある。

梅津は「きょうみたいにうまくはいかないというか、厳しい世界なんですけど、その中でも自分の柔道を目指してしっかりつくりあげていきたい」と言い切る。仕事と競技を両立しながら、自分の信じる柔らの道を突き進む。

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