山川穂高に被弾して以来8日ぶり…2年前の新人王、西武・水上由伸が鮮やか火消し ファンからの厳しい声に「悔しいのは一緒」

8回1死一、二塁、楽天・小郷を二ゴロ併殺に打ち取り、捕手柘植(右)とタッチする西武・水上(撮影・大泉謙也)

◆西武0―1楽天(21日、ベルーナドーム)

西武の水上由伸投手(25)が8日ぶりに登板し、ピンチを切り抜けた。

1点ビハインドの8回1死一、二塁で田村に代わってマウンドへ。楽天小郷に対して外角へ徹底して投げ込むと、2ボール2ストライクからスライダーで引っかけさせて二ゴロ併殺打に打ち取り、ガッツポーズ。「失うものはない、ぐらいの気持ちで臨んだ。タム(田村)さんに自責点がつかないように。結果的にゲッツーだったんで良かった」と笑顔を輝かせた。

今季は初登板から3試合連続で無失点に抑えたが、6日の日本ハム戦で2失点。13日のソフトバンク戦では3点を追う6回、元チームメートの山川に満塁弾を浴びた。

試合後はファンの厳しい声が届いたが、下を向くことはなかった。「ファンも悔しいのは一緒。もちろん僕らも悔しいけど、そこはお互いさまじゃないですか。僕らは言われる立場。僕らがプレーをやっているので」と理解を示しつつ「わが道を行くタイプなので、周りの声は聞くけど気にしない」。山川に打たれたスライダーの切れを取り戻すことに専念し、この日は小郷を打ち取った。

2022年に登板60試合で31ホールドをマークし、防御率1・77を残して最優秀中継ぎ投手と新人王に輝いた。その反動からか昨年は23試合の登板で5ホールドにとどまった。2年前の栄光を取り戻すため、勝利の方程式への返り咲きを目指す25歳。決め球のシュートやスライダーだけでなく、ぶれない鋼の精神が実績につながっている。(末継智章)

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