イースタンでスタメン出場→1軍で盗塁成功 異例の〝親子デーゲーム〟ダブル出場で西武・高松渡が感じたメリット

9回無死一塁、二盗を決める西武・代走高松(撮影・大泉謙也)

◆西武0―1楽天(21日、ベルーナドーム)

西武の高松渡内野手(24)が午後1時開始のイースタン楽天戦(カーミニーク)に出場後、1軍が同2時から臨んだ楽天戦(ベルーナドーム)にも途中出場した。

開幕1軍ながら代走や守備要員での9試合出場にとどまっていた高松は、打席に立つためイースタンへ。2番DHで出場し、4回の第2打席で中前打を放つと、6回の第3打席でコルデロと交代した。

休む間もなく隣接するベルーナドームに向かい、1点を追う9回無死一塁の場面で代走として出場。アギラーの打席で1ボール1ストライクからの3球目に盗塁を試み、リプレー検証がされるほど際どいタイミングながら間一髪セーフとなった。盗塁は首脳陣に促されての判断だったが、高松自身も「何か動かないと試合も動かない。行けたらいこうとスタートした」。後続が倒れたため同点にはならなかったが、松井監督は「なかなかスタートは切れない難しい場面だけど、本当に勇気を出してくれた」と賛辞を送った。

昼にファームの試合に出た後、1軍のナイター戦に出るケースはよくあるが、ともにデーゲームで「親子ゲーム」をはしごするのは異例だ。昨夏に中日からトレードで加入した高松も初体験だったが「(イースタンの)試合に出て気持ちが入っていた。1軍の試合に戻り、出番まで少し時間が空いていたけど、動きは全然良かった」と好感触。ファームでバットを振る機会もできたことで「練習で調子は良くなかったけど、久しぶりの打席。初球から振っていこうと思っていた」と2打席目の安打に笑顔を輝かせた。

同じ敷地内に1軍とファームの球場が隣接する西武だからこそ実現できたダブル出場。試合は1軍、2軍とも敗れたが、「育成の西武」を掲げる球団として一つの形を示した。

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