首位・C大阪も下して6戦負けなしの名古屋。稲垣祥に訊いた好調&開幕3連敗から蘇ったワケ

[J1第9節]名古屋 2-1 C大阪/4月21日/豊田スタジアム

3連敗スタートと心配された名古屋が力強く甦っている。

9節では首位に立っていたC大阪をホームで下し、6戦負けなし(5勝1分)で、C大阪に代わって再び1位に立った町田とも勝点3差の5位に付ける。

長谷川健太監督が就任して3年目の今季は、キャンプから3-1-4-2という攻撃面を強化する新システムに取り組んできたが、2トップの軸と目された新FW山岸祐也や、エースのキャスパー・ユンカーが負傷を抱えたなかで、4節の柏戦では慣れ親しんだ3-4-2-1へシステムチェンジ。

戦い方もオーソドクスなものへと戻すと、柏戦での今季初勝利から負けなしと復調してみせている。

そこで、2ボランチの一角として、チームを支える稲垣祥に好調の要因を訊けば、こう返ってくる。

「柏戦を機にまずベーシックな部分をしっかりやるというところからどんなゲームも入れているのは大きいですし、あとは出ている選手が無理なくプレーできているのかなと。それまではやろうとすることが先行し過ぎて、ちょっとそれぞれが1歩2歩無理しながらと言いますか、そういう形でプレーしている印象でしたが、そこがみんな無理なく、スムーズにやれるようになってきたのは大きいですね」

C大阪戦は相手の左SB登里享平らを軸にした可変システムによるポゼッションに、ボールを持たれる時間は続いたが、ピッチ内で密に連係を取りながらチームとして対応。ふたつのセットプレーを生かして、2-1で競り勝った。稲垣は課題も口にしながら手応えも示す。

「もう少し欲張れば、リズムをこっちに持ってきてやりたかったのですが、ああいう展開でも勝点3を持ってこられるチーム状態になっているのはひとつ強さかなと思います」

【動画】名古屋の2ゴール!!

もっとも稲垣はさらに上を見つめる。

「勝点3を積み上げていきながら、もっと積み上げていかないと、どこかで詰まってくることはよくあることなので、夏場や夏以降など、そこはしっかり目を向けながら勝点を積み上げていきたいです」

その点ではキャンプで培ってきたプラスアルファも改めて取り入れていきたいという。

「肉付けしながらやっていかないと、頭打ちが来た時に詰まってしまうことがあるので、長い目でやっていきたいです」

エースのユンカーはチームの状態が上向いた柏戦での負傷(右膝内側半月板損傷)が発表されており、復帰までには時間がかかりそうだが、今の調子を維持しながら、さらにチームとして内容をブラッシュアップできるか。そこが今後の戦いに大きく影響しそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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