那須の2遺体遺棄事件 死体損壊疑いで25歳男逮捕 栃木県警押収の車から被害者所持品

男のものとみられる乗用車。車はこの後押収された=18日、埼玉県越谷市、住民提供(画像は一部加工しています)

 栃木県那須町伊王野の河川敷で男女2人の焼損遺体が見つかった事件で、県警捜査1課と那須塩原署は21日、死体損壊の疑いで埼玉県越谷市、建設業の男(25)を逮捕した。男は17日に東京都内の交番に出頭していた。県警と警視庁は同庁大崎署(東京都品川区)に合同捜査本部を設置。捜査本部は複数人が事件に関与したとみて、闇バイトなどを通じて関わった可能性も含めて調べている。また捜査関係者によると、県警が押収した車の中から被害者のものとみられる所持品が見つかったことも分かった。

 逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀し16日未明から朝までの間、那須町伊王野の河川敷で東京都千代田区、会社役員の男性=当時(55)=と女性の2人の遺体に火を付けて損壊した疑い。県警は認否を明らかにしていない。

 女性は40~60代で、会社役員の男性の妻とみられる。2人の死因は首を絞められたことによる窒息死だった。

 男は17日、「事件に関与したかもしれない」などとして都内の交番に出頭し、県警が任意で事情を聴いていた。調べに対し「頼まれて車を貸した」「殺害には関与していない」「他の人と出頭しようとした」といった趣旨の説明したという。捜査本部は男の供述や防犯カメラ映像の解析などから、事件に関与したと判断した。

 捜査関係者によると、捜査本部は男が所有する黒い乗用車を押収。遺体の遺棄現場近くの防犯カメラに映っていた車と特徴が酷似しており、事件に使われたとみている。

 事件発覚前日の15日夜、都内の防犯カメラに会社役員の男性と女性の2人が車に乗り込む姿が映っており、16日早朝にかけて事件に巻き込まれたとみられる。

 会社役員の男性は東京都台東区を中心に複数の飲食店を経営。営業を巡るトラブルの情報も確認されている。捜査本部は会社役員の男性の交友関係や男との接点などを調べている。

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