迫力の演奏一足早く 市民オケ本祭へプレ公演

迫力の演奏を繰り広げた出演者=県立音楽堂コンサートホール

  ●9団体102人参加

 28日に開幕するガルガンチュア音楽祭(北國新聞社特別協力)のプレイベント「市民オーケストラの祭典」は21日、県立音楽堂コンサートホールで開かれ、能登半島地震の困難を乗り越えて参加したグループを含む9団体102人が迫力の演奏を披露した。音楽祭のテーマ「大西洋をわたる風~イギリス・アメリカの音楽~」にちなんだ曲が一足早く奏でられ、観客が1週間後に迫った本祭へ期待を高めた。

 アマチュアの音楽活動が盛んな石川ならではの市民参加型プログラムで、被災地からは七尾で活動する「オルビスNOTO」が参加した。冒頭、地震の犠牲者に向け、米作曲家コープランドの「市民のためのファンファーレ」が献奏された。

 ステージでは指揮者の鈴木織衛さんがタクトを振った。出演者はエルガーが謎を込めて作曲した「エニグマ」変奏曲や英テムズ川の舟遊びの情景を描いたヘンデルの「水上の音楽」を繰り広げた。

 今年の音楽祭はクラシックだけでなくミュージカルやジャズ、映画音楽の要素も盛り込まれている。出演者はバーンスタインの音楽劇「キャンディード序曲」を華やかに奏で、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」ではジャズとクラシックの融合を表現した。

 ハリウッド映画音楽第一人者のジョン・ウイリアムズの「スター・ウォーズ」では、観客が壮大な映画の世界観に浸った。

 音楽祭は28日~5月5日の日程で、県立音楽堂などを中心に北陸三県で開かれる。

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