【日本ハム】好調の裏に〝査定改革〟 新庄監督「やる気にさせるっていうことは大事」

新庄流の査定改革はナインにも好評だ

今季の日本ハムは強い――。21日のロッテ戦(エスコン)で投打の歯車をガッチリとかみ合わせて2試合連続完封勝利となる5―0と快勝。今季初の同一カード3連勝で引き分けを挟み4連勝を飾り、首位・ソフトバンクとの差を「1」とした。新庄剛志監督(52)の就任以来、2年連続最下位チームが3年目にして大躍進中だが、その裏には新庄流の緻密な「査定改革」があるという。

この好調ぶりは本物だ。21日現在、日本ハムは18試合を終え10勝7敗1分けの貯金「3」。新庄政権誕生以来、過去2年の同時期成績は2022年6勝12敗、23年5勝13敗で、比較すれば大変身ぶりは明らかだ。

要因として選手個々の成長や昨季失策を重ね続けた本拠地・エスコンフィールドへの野手の対応力が挙がる。新庄監督も「あの秋季キャンプの練習がね。やっぱり(選手の)脳に残ってると思う」と話すように、計12日間にわたって一軍選手ほぼ全員が「缶詰め状態」で猛練習した昨年11月の成果が表れている。今季ここまで1点差ゲーム計5試合を4勝1分と無敗なのもこの鉄壁な守備のおかげだろう。

だが、勝てる要因はそれだけではない。ここ2年で変わりつつある選手の「査定」も大きい。

新庄監督は選手のやる気を高めるため積極的に査定改革に着手。例えば投手であれば四球減や回またぎ、野手では四球による出塁や進塁打などが安打と同様な評価を得られるように改善させたという。

特に中継ぎ投手はこのところ防御率0点の金村、河野ら勝ちパターン組が酷使気味だが、この査定のおかげで高いモチベーションを維持している。指揮官もこの査定改革には手応えを感じ始めており、19日に回またぎを敢行させた河野について、こう話す。

「河野君にしてみれば『やったー』となる。査定が上がるからね。(選手を)やる気にさせるっていうことは大事なので。(査定担当にも)回をまたいだら上げてくれって言っている。だから『河野君、2回行くよ』って言ったら『えっ、3回じゃないんですか』って(笑い)。みんな2回ずつ投げたいと思いますよ。そこの評価は上げたいからね」(新庄監督)

ある選手に聞いても査定に関しては納得済みで「べンチのサイン通りに動けば年俸に反映されますし、いろいろな部分が評価されるようになりましたから。選手にとってはうれしい限りです。中継ぎ投手などは他球団以上に細かい査定ポイントもあるようなので。みんな投げたがる? でしょうね」と明かす。

2年間の成長に加え、査定のおかげでさらにやる気を増す日本ハムナイン。この調子でシーズンを突っ走れるか。

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