家の片づけは「時間の片づけ」から プロが教えるチェック法で“追われる日々”からも脱却

時間はあっという間に過ぎる。子育て、家事、仕事が重なり、頑張っているのに慌ただしい、余裕がないと感じる母親・父親もいるはず。

そんな“時間に追われる状態”はどうすれば改善できるのか。「片づけアドバイザー」の石阪京子さんは「1日のタイムスケジュールを俯瞰することから始めてほしい」と話す。

まずはスマホアプリやメモ帳に、自分の起床から就寝までの行動を、時系列で簡単に書き出そう。

【例】
6:30 起床
7:00 朝食を作る
8:00 子供が登校 自分は出勤

そうすると自分の時間の使い方、行動を把握するきっかけになるという。仕事がある日と休日の2パターンを書くと、生活リズムの違いも分かる。

目標時間と現実の進み方を比較しよう

次に1日のどこで時間を浪費しているか、時短できるところがないかを分析してほしい。石阪さんが提案するのは「これは何時までに終わらせたい」という“目標時間”を、家事や仕事に設定しておき、現実の進み方と比較するというものだ。

例えば、午後8時には子供とお風呂に入りたいなら、スマホのアラームやリマインダーを午後8時にセットして普段通りに過ごしてみる。こうすると進捗状況や遅れが確認しやすい。

「時間の使い方は自分で気づきにくいものです。それが分かると『あの時にSNSを見ていた』『やる気がなくてぼうっとしていた』などの、原因も見えてきます」(以下、石阪さん)

目標時間通りにいかなければ、それまでの過ごし方に問題があるかもしれない。ちょっとした時短を積み重ねると、1日では大きな差になるはずだ。

これまでの常識を捨てるのもアリ

一方で「無駄な時間は見当たらないが、目標時間に間に合わない」こともあるはず。その場合は厳しいスケジュールを組んでいる可能性があるので、考え方や行動を見直してみよう。

【例】子供と午後8時にお風呂に入りたいが間に合わない
→(タイムスケジュールを書き出して確認)夕食作りに時間がかかっている
→解決案1:朝に夕食の下ごしらえを済ませておく。朝にしていた洗濯は夜にする
→解決案2:特に野菜の下ごしらえに時間がかかっているので、時間が空いた時に野菜のカットなどを済ませておく

目標時間に間に合わせたいなら、「これは朝にやらなければ」という習慣や思い込みを捨てるのもアリ。家事の順番を組み替えるなどの工夫で、解決できることもある。

キッチンやリビングは“15分でリセット”が理想

これにプラスして、料理の片づけや家の掃除をスムーズに進めるため、キッチンやリビングで使ったものを“15分でリセット”することに挑戦してみよう。

キッチンは使った食器や調理器具をサッと洗い、布巾やキッチンペーパーなどで拭いておく。リビングは散らかった物を元の場所に戻し、私物はそれぞれの部屋に持ち帰るようにする。

所有物の量を収納スペースの7割までに抑える「7割収納」を守れば、短時間でも収納や整理はしやすいという。1日の終わりなど、タイミングを決めて行っても良いそうだ。

15分でのリセットが難しいなら、収納スペースに対する物の量が多い可能性もあるので、必要ない物がないか調べる、整理するきっかけにしてもいい。

無理をしない、柔軟に考えることも大切

無駄な時間を減らしているのに時間が足りない。片づけや家事が進まない。そんなときは自分を責めず、ラクな気持ちになることも必要だ。毎日頑張っていると、だらけてしまうこともあるかもしれないが、睡眠や休息が足りていない可能性もある。

時間が足りないなら家族に相談し、仕事や働く時間を調整するという選択肢もある。片づけや家事が進まないなら、物を思い切って捨てる、家族に協力をお願いすることがあってもいい。

石阪さんも「時間に追われる人は、真面目で責任感やこだわりが強い人が多いです。それはすごい才能だと思います」と話す。生活が乱れたときこそ、柔軟に考えてみよう。今回紹介した方法も参考に、あなたなりの時間の作り方を見つけてほしい。

石阪京子
片づけアドバイザー、宅地建物取引士、JADP心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。夫と不動産会社を起業後、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけの提案を始める。独自のメソッドで片づけに成功した家は1000軒以上に上る。
現在は収納監修、片づけレッスンのほか、全国各地でトークイベントやオンラインセミナーを開催し、多くの女性に暮らしの整え方のアドバイスを送っている。

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