【新日本】海野翔太が至宝奪回の誓い 〝師匠超え〟は「成し遂げないといけない使命」

師匠モクスリーからの至宝奪回を目指す海野翔太

新日本プロレス5月11日(日本時間12日)の米カリフォルニア大会でIWGP世界ヘビー級王座(現王者はジョン・モクスリー)に挑戦する海野翔太(27)が、至宝奪回の誓いを新たにした。米AEW所属のモクスリーに流出した新日本の最高峰王座は、早くも混迷の気配。約15年ぶりの非常事態を当時と同じく〝師匠超え〟で終結させ、新時代を到来させる。

モクスリーが内藤哲也からベルトを奪取して以降、王座戦線は目まぐるしい動きを見せている。王者は当初、海野との師弟対決を熱望したが、ここに成田蓮が乱入し挑戦権を〝横取り〟。5月4日福岡大会での挑戦が決定し、海野は福岡決戦の勝者に挑戦することになった。

しかしAEWマットでも急展開が…。モクスリーは24日(日本時間25日)の「AEW DYNAMITE」でパワーハウス・ホブスとV1戦を行うことが電撃決定。成田は同戦の勝者に挑戦することになり、王者の指名を受けたはずの海野は〝3番手〟に降格した…。

不条理な仕打ちにも海野の心は動じない。「僕としてはモクスリーがベルトを持ったまま目の前に立ってくれると信じています」。しかも、師弟対決を妨害された成田からは、ベルト奪取の暁には海野の挑戦を受けない意向を示されている。

だが、海野は「そもそも彼に挑戦権があるのも疑問ですし。最高峰王座に挑戦するのであれば、せめて1月に負けた僕とシングルをやるべきだったかなと。筋も通せないくせに僕に対してくだらないことばかり言ってくる人間がベルトを取れるとも思えないですし、彼の言ってた『救世主』になれるとも思いません」と斬り捨てた。

是が非でも師匠との王座戦を実現させたい一方で、複雑な思いもある。「外でタイトルマッチが急に決まったりするのもベルト流出の現実なのかなと。モクスリーは師匠であり仲間で、信頼も尊敬もしている選手ですけど、僕は新日本所属で新日本の人間なので。15年ぶりに流出してしまったベルトは外敵王者からしっかり取り返したいなというのはあります」

くしくも15年前の2009年1月4日東京ドーム大会で全日本プロレスに流出していたIWGPヘビー級王座を奪回したのは、当時の王者・武藤敬司の元弟子にあたる棚橋弘至。新日本に新時代を到来させた一戦は、当時小学生だった海野にとっても人生の転機となった。

「僕はその試合を見て、プロレスにハマったんです。今度は自分が師匠超えを果たしてIWGPを取り返すということは、成し遂げないといけない使命なのかなと。それが新日本にも、AEWにも、モクスリーにも恩返しになると思ってます」と、至宝奪回は弟子の役目とばかりに再現を予告した。その青写真を完成させるにはモクスリーの連続防衛が必要条件。師弟対決は実現するのか、今は天命を待つのみだ。

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