よかったねえ、たい焼き。イタリアがオシャレにしてくれました

By グローバルママ研究所

アニメや漫画の影響を受け、欧州では数年前から日本ブームが起きています。もともと日本食レストランが多かったイタリアでは最近、若者を中心に気軽に利用できるストリートフード店に注目が集まっています。その中でも圧倒的な人気を誇るミラノのたい焼き店と、そこで販売されているユニークなたい焼きについて紹介します。

欧州では珍しい食べ歩き文化

↑ミラノで流行中のTaiyaki Denのたい焼き

日本では観光地はもちろん、身近な商店街などでも気軽に食べ歩きグルメを楽しめますが、イタリアをはじめ欧州では珍しい文化といえます。

欧州では食事は家族や友達とゆっくり楽しむものとされていて、焦って食べたり立って食べたりはもってのほか。特にイタリアでは「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」を重要視するほど、社交の場として食事が尊重されています。日本のように食事を急いで食べるという文化がないといえるでしょう。

ところが、最近は若者を中心に、カツサンドやメロンパン、たこ焼きなど日本の軽食を安い値段で楽しめるストリート風のお店が人気となっています。

その背景には、若い人たちのお財布事情も関係している模様。ミラノは著名な観光地なので日本食レストランも多くありますが、1食の価格が5000円程度と若者にとっては高め。日本のようにファーストフード店やフードコート、ファミレスといった気軽に食事できる場所もないため、ストリート風のお店が歓迎されるのです。

イタリア風のアレンジ

↑かくも斬新なイタリア製たい焼き

そんな中、SNSで注目を集め大人気なのが、2023年11月にミラノにオープンしたばかりのたい焼き店「Taiyaki Den」。もともと日本に住んでいたイタリア人が帰国して開店したようで、焼き加減や見た目は日本のたい焼きと比べても遜色ありません。店内も提灯を飾るなど日本を意識した和風のしつらえで、とてもオシャレです。

人気の最大の理由は、イタリア人向けにたい焼きをアレンジ・進化させた商品アイデアにあるようです。まるで鯛がジェラートを食べているかのようなインパクトがあり、イタリア人が大好物のジェラートと和風の鯛という奇抜なコラボレーションがSNS映えして話題となりました。

価格はスタンダードなあんこのたい焼きが3ユーロ(約490円※)、ジェラート入りが5〜7ユーロ(約820〜1200円)と、イタリアにしては若い層にもお手頃です。ジェラートは抹茶味をはじめ、バニラ味やオレオ味、塩キャラメル味なども人気で、オレオクッキーやポッキー、チョコレート、マシュマロなどをトッピングできます。

※1ユーロ=約163円で換算(2024年4月3日現在)

こういったストリート風グルメ店は、イタリアのほかの都市でも続々とオープンしています。価格や食べやすさはもちろんのこと、SNS映えするグルメは、イタリア人が持つ「みんなで食の楽しみを共有する」という文化に近いことが受けているのかもしれません。

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