猛暑でも主力はコシヒカリ変わらず…需要高く置き換えに二の足 JAと福井県、高温に強いコシの開発急ぐ

猛暑続きとなった昨年のコシヒカリの稲刈り作業=2023年8月、福井県福井市新田本町

 日本を代表するブランド米のコシヒカリは昨年の猛暑により、全国で大きな影響を受けた。県内でも1等米比率が低下するなどしたが、コシヒカリは消費者需要が高いため他品種への置き換えが難しいのが実情で、今後もコシヒカリが作付けの主力となりそうだ。ただ、今後も続く猛暑に対応しようと、JAと県は高温に強い「新コシヒカリ」の開発を急いでいる。

 農林水産省が公表した23年産米の1等米比率によると、コシヒカリは全国計で50.6%。高温に加え渇水の影響を受けた新潟の1等米比率はわずか5.0%だった。福井は水不足にならず78.9%と健闘したが、前年より10ポイント近く低下した。

 気象庁の今夏の天候見通し(6~8月)では、福井を含む東日本の平均気温が高い確率は60%。猛暑に加え、今年は雪不足のため雪解け水が少ないことも予想され、コシヒカリにとって厳しい1年となりそうだ。3月25日のJA県5連定例会見で、JA福井県の松田修昌常務理事は「(JA側から提示する)コシヒカリの作付け目安は例年並み」と明らかにした。「高温障害が予想される状況が毎年続いているが、高温に強いコメへの置き換えは一朝一夕にはできない。今年も施肥や水管理を徹底してもらうよう営農指導に取り組んでいきたい」と語った。

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