水原一平氏と同じ若いギャンブル依存症、米国「一般的になりつつある」。大谷翔平スキャンダル…日本のスポーツベッティング”解禁”に影響か

米国内の大学のギャンブル研究センター所長「(スポーツベッティングによるギャンブル依存症は)珍しいことだと言いたいところだが、それは嘘になる」

アメリカ・メジャーリーグベースボール(MLB)ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の口座から違法なスポーツ賭博のブローカーに送金していたとしてアメリカの連邦捜査機関から銀行詐欺容疑で前通訳の水原一平氏が訴追された事件で、アメリカメディアはこの問題を契機に、若い現役世代がギャンブル依存症に陥るケースが「米国内で一般的になりつつある」と警鐘を鳴らし、対策や規制を問う声が増している。

『ジ・アスレチック』はこのほど、20代の学生時代にスポーツ・ベッティングでギャンブル依存症に陥ったというアストロズのファンの体験をレポートしている。26歳の彼は学生時代、MLBの試合で勝者を予想する賭けで10ドル(約1500円)からスタートさせた。

一度当たって約20ドルに。それがやがて100ドルと増え刺激を受けた。しかし、やがて負ける時が来る。

ところが頭の中では「警告よりも、勝ちが近づいている」という興奮が先に来るようになる。何度かの”勝った経験”もあり、負けを取り返せるはずだと、さらに大きな額を賭けるようになっていった。やがて1000ドル(約15万円)単位で負けても、次は勝てるという”ポジティブ”な思考になり、深みにハマった。

まさに水原氏と似たような思考に陥っていった。

水原氏は39歳である。こうして20代から40代の若い世代、現役世代が遊び感覚で、スマートフォンから軽い気持ちで賭けを始める。そして二人のように深みにハマるケースが米国で増加。同メディアでは、ラトガース大学のギャンブル研究センターのリア・ナワー所長が「(スポーツベッティングによるギャンブル依存症は)珍しいことだと言いたいところだが、それは嘘になる。現実的には、ますます一般的になってきている」と警鐘を鳴らしているのだ。2021年の調査では、オンラインカジノをした中の6パーセントが、ハイリスクなギャンブルの問題を抱えているようになっていたという。

日本でもスポーツベッティングの導入が議論されてきた。ある銀行の報告書では「(世界のスポーツベッティングは)賭けというよりスポーツ振興のためにお金を使っているという意識があるようだ」というようなレポートがあった。が、今回の水原氏のケースから浮かび上がった米国の現実からは、やはり根本はギャンブル・博打であり、そんな生易しく”上品”な世界でではないことが分かる。

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いずれにせよ、オンラインカジノのルールに関しては、岸田政権の対応の遅れも感じられる。野放しになっている日本から海外へのスポーツベッティングなど、オンラインカジノに関する法規制が求められているのは事実だ。

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