「キングオージャー」高田将司、スーツアクターとしての現在地 転機は仮面ライダーディケイド&フォーゼ

ジャン=クロード・ヴァン・ダムに憧れアクションの道へ! - スーツアクターの高田将司

2本立てVシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』でスパイダークモノスとキョウリュウブルーのスーツアクターを担当した高田将司がインタビューに応じ、自身のキャリアの始まりから転機となった東映特撮作品、スーツアクターとしての現在地について語った。

中学生時代からアクション映画に夢中だった高田は、『ユニバーサル・ソルジャー』『キックボクサー』などで知られるアクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダムに憧れ、アクション業界に飛び込んだ。「当時はスーツアクターという仕事は全く知らなかったです。事務所に入ると、所属メンバーはみんな東映特撮の現場で経験を積んでいたので、その流れで『仮面ライダー』シリーズに参加し、宮崎(剛)アクション監督から怪人役などをいただきました」

高校生になり、ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)の養成部に入部した高田は、スーツアクター人生の転機となる「仮面ライダーディケイド」(2009)に参加する。「現場にしっかり入るようになったのは『仮面ライダーディケイド』でした。夏休みの期間で、当時17歳だった私は右も左もわからないまま参加していました。『ディケイド』は怪人がたくさん登場する作品だったので、若手でも何かしらの役でカメラの前に立てるチャンスが多かったです」

そして、2度目の転機として挙げたのは「仮面ライダーフォーゼ」(2011~2012)。同作のメイン監督は、高田が初めてヒーロー役を務めた「獣電戦隊キョウリュウジャー」(2013~2014)のメイン監督でもある坂本浩一だ。「スーパー戦隊の現場にほとんど行ったことがなくて、唯一知っていたのは、『フォーゼ』でご一緒した坂本監督だったんです。『キョウリュウジャー』でキョウリュウブルー役を担当することになったのは、僕がずっと怪人などをやっていた時代を、坂本監督が覚えていらっしゃったのかもしれません。『フォーゼ』で坂本監督とのつながりができたことで、『キョウリュウジャー』とのご縁もできたのかなと思います」

スーツアクターになるために必要なこととは?

下積み時代から仮面ライダー&スーパー戦隊シリーズを数多く経験し、現在は特撮作品の第一線で活躍する高田。「マスクをして、表情が見えない格好をする中で、 アクションをこなしたり、時にはお芝居もすることもあります。すごく難しいことに挑戦しているということは、いつも思っています」とスーツアクターの軸は今もブレない。

これまで裏方の印象が強かったスーツアクターだが、近年はキャストと共に配役が注目されるなど、知名度はさらに高まっている。また、“ミスター平成仮面ライダー”の異名を持つ高岩成二が顔出しでドラマ主演を果たすなど、レジェンドスーツアクターの活躍も目覚ましい。

「高岩さんたちが道を切り開いたことで、今こうして取材とかも受けることができていると思います。僕たちもアクションやお芝居をしっかりとこなせないと、高岩さんには追いつけません。先輩方が敷いてくださった道を、這いつくばってでも歩んでいきたいです」

俳優と共に特撮作品を支えるスーツアクター。ヒーローの活躍に憧れ、将来スーツアクターを目指す子供たちも増えていくことだろう。高田は「アクションがメインなので、しっかりトレーニングをすることがまず大事です」とスーツアクターに求められる要素を熱弁する。「また、ただ身体を動かせばいいというわけでもありません。お芝居をするならば、頭も使わなければいけません。表情が映らない中で、いかに表現するのかを考える必要があります。もちろん、礼儀もしっかりしないとダメですよね。人間性がしっかりしていないと仕事はもらえません。どの業界・会社も共通だと思うので、そこはきちんとしましょう!」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

Vシネクスト2本立て『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』は4月26日(金)より新宿バルト9ほか期間限定上映/Blu-ray&DVDは10月9日(水)発売

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