「最高のモンスターブロック!」リーグ200本目!! 2m超アタッカーを封じた石川祐希に現地識者も驚嘆! 3位を目指すミラノが激闘制し、1勝1敗のタイに

現地時間4月20日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン・プレーオフ3位決定戦の第2戦が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するレギュラーシーズン6位アリアンツ・ミラノは、同首位イタス・トレンティーノとホームで対戦し、セットカウント3-2(26-24、17-25、25-16、25-27、22-20)で激闘を制して成績を1勝1敗とした。

3日前にアウェーで行なわれた初戦をフルセットの末に落としたミラノ。ホームで1勝目を狙うこの2戦目へ、先発はアウトサイドヒッター(OH)のエース石川、司令塔がイタリア代表パオロ・ポッロ、ミドルブロッカー(MB)にアルゼンチン代表アグスティン・ロセルとマルコ・ヴィテッリ(イタリア)、オポジット(OP)はベルギー代表フェレ・レゲルス。OHブルガリア代表マテイ・カジースキは、2月初めの左ふくらはぎ負傷が再発して初戦に続き欠場となり、キューバ代表の主将オスニエル・メルガレホが石川の対角を務めた。

トレンティーノは、左手小指骨折の術後で復帰途中の正セッター、イタリア代表リカルド・ズベルトリがおよそ2か月ぶりに先発出場。2週間後に控える今季のCL決勝を見据え、セカンドセッターと交代を絡めながらの起用となった。また、腹直筋負傷で初戦から欠場のイタリア代表OHダニエレ・ラヴィアに代わりジュリオ・マガリーニが、アレッサンドロ・ミキエレットと同胞コンビを組み、OPカミル・リヒリツキ、MBスロベニア代表ヤン・コサメルニクとセルビア代表マルコ・ポドラシュチャニンの布陣で試合をスタートした。

第1セット、レゲルスの被ブロックとズベルトリのエースで出鼻をくじかれたミラノだったが、ポッロのサーブを起点に3連続ブロックですぐさま逆転。石川はエースとバックアタック、さらにコート左右から追加点を挙げる。以降、ミラノは効果的なサーブでブレークを重ねた終盤に大量7点のリード。安泰と思われたが、第1戦で苦しんだ相手MBコサメルニクのサーブで連続ブレークを許して1点差に詰め寄られる。しかし、ミラノは石川が後衛から豪快に奪ったセットポイントを手放さず、レゲルスのエースで試合先行に成功した。

ここからシーソーゲームへ突入する。サーブと守備のレベルを上げたトレンティーノに第2セットを譲ったミラノだったが、続く3セット目はボッロのエース3本に加え、レセプションA+Bパス95%をマーク(第3セットまで)したリベロのダミアーノ・カターニア(イタリア)の奮闘が光る。石川も相手OPの強打を見事なブロックで阻止するなどして5得点。終盤の連続ブレークで圧倒し、大差で勝利へ王手をかけた。しかし、第4セットは接戦の中、終盤まで僅差のリードを守り続けるも、25-24で迎えた2度目のマッチポイントを逃してフルセットへ。
最終セットは開始からOPレゲルスの被ブロックが3本続き、そのままのビハインドでコートチェンジ。そこから流れを引き寄せたのは、やはり背番号14だった。まず、ブロックアウトで1つ点差を詰め、ギアを上げたサーブで攻め込み9-11。ミラノは相手の誤打とロセルのエースで同点に追いつく。石川が悪球を果敢に叩いた一打で3度目のマッチポイントを逃したトレンティーノが、続く3度のチャンスをすべてサーブミスで手放すと、石川の勝負強さが炸裂する。味方がブロックディフェンスで持ち込んだラリーを、長丁場の試合終盤とは思えないキレとパワーが詰まったバックアタックで仕留めてマッチポイントを奪取。これに怯んだか、相手がサーブと攻撃でミスを犯して、ミラノが1勝目を勝ち取った。
石川は、チーム最多の21得点(アタック18、エース1.ブロック2)を記録。国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball TV』で解説を担当した元イタリア代表のジョルジョ・ゴルドーニ氏は、試合最多得点を挙げた2m超の2選手、OHミキエレットとOPリヒリツキをシャットアウトした石川のブロック2本を、「壮観!」「完璧にクローズ、ブロックアウトさせない腕の動きが巧妙」「最高のモンスターブロック!」と絶賛した。石川はそのブロックで、第1戦での公式戦(欧州大会を含む)通算200本に続き、リーグ通算でも200本を達成した。

現在開催中の決勝、高橋藍が所属するモンツァ対ペルージャの第1戦を取材に訪れた会場で、イタリア公営放送の解説者、元同国代表アンドレア・ルッケッタ氏から、こんな話が聞けた。

「ユウキがここ(決勝)にいないことが、本当に残念。けれど、ランも応援している。イタリアで破竹の活躍を続ける2人に、フィリップ(・ブラン日本代表監督)は大喜びしているだろうね」

石川はその言葉に応えるパフォーマンスで、チームを3位へ前進させた。

第2戦は日本時間4月25日午前3時30分に開始予定。ミラノは2勝目となるアウェーでの白星を目指す。

構成●THE DIGEST編集部

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