韓国教育部「日本による歴史歪曲教科書の追加通過は深い遺憾...直ちに是正せよ」

日本軍「元慰安婦」を強制的に連行したことはないなど、歴史を歪曲(わいきょく)した記述が盛り込まれた日本の中学校社会科の教科書が19日に追加で通過されたことに対して、大韓民国の教育部(日本の文部科学省に相当)は「深い遺憾を表す」として直ちに是正を要求した。

韓国教育部はこの日、報道官の名義で声明を出して、「日本の文部科学省が誤った歴史観で歴史的事実を深刻に歪曲した中学校社会科の教科書2種を追加で検定通過させたことに深い遺憾を表し、即刻是正を要求する」と明らかにした。

韓国教育部は「今回追加で通過された中学校社会科の教科書2種は、竹島(韓国名:独島)に対する大韓民国の領土主権を侵害する内容とともに、韓国に対する植民地支配と侵略戦争を正当化し、日本軍『元慰安婦』を強制的に連行したことはないなどの深刻な歪曲記述を含んでいる」と批判した。

これに先立ち、先月22日にも日本の文部科学省は誤った竹島の領有権主張が含まれた歴史(8種)・公民(6種)・地理(4種)の教科書など中学社会科の教科書、計18種に対する検定を通過させた。また、歴史教科書8種では1940年代の朝鮮人労働力の動員に対する叙述に「強制連行」などの用語を付け加えず、日本軍「元慰安婦」に対しては歴史教科書2種が扱っているものの、「元従軍慰安婦」の代わりに「元慰安婦」と記述した。これは2021年4月に閣議で誤解を招く恐れがあるという理由で、「従軍慰安婦」ではなく「慰安婦」とする表現が適切という決定に従ったもので、加害の歴史表現が後退したという評価を受けている。

検定通過直後、大韓民国の教育部は「日韓両国が絡んだ結び目を解き、より建設的な関係に進むためには、これまで続けられた竹島(韓国名:独島)の領有権主張と歴史歪曲を正して、未来世代に真実を知らせることから始めなければならない」と強調した。

韓国教育部はこの日、「日本政府がより深刻な歪曲記述を含む教科書を検定合格させたことは無責任な行動」とし「日韓両国関係における発展の流れにも逆行するもの」と声を高めた。

それとともに、「日本政府は過去の日韓友好関係の基盤となった宮沢談話の近隣諸国条項と村山談話の意味を再確認し、今後教科書の歪曲問題が再発しないよう根本的な対策を講じることを望む」と促した。宮沢談話には「教科書の執筆において、近隣アジア諸国との間に発生した事件を扱う場合、国際的理解と協力という見地から必要な配慮をする」という内容が盛り込まれている。また、村山談話には「植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多くの損害と苦痛を与えた。疑いの余地のない歴史的事実を謙虚に受け入れて痛切な反省の意を表し、心から謝罪する」という記述が含まれている。

韓国教育部は「日本政府が自ら明らかにしたように過去の歴史を謙虚に受け入れて、歴史を直視して未来志向的な日韓関係のための責任ある措置を取ることを期待する」と述べた。

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