シリア米軍基地にイラクからロケット弾、親イラン派は攻撃再開否定

[モスル(イラク) 21日 ロイター] - イラクから21日にシリア北東部にある米軍基地に向けて少なくとも5発のロケット弾が発射された。同国の治安当局関係者がロイターに明らかにした。イラクの親イラン勢力「神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ)」は攻撃再開報道を否定した。

米軍への攻撃は、イラクでイランの支援を受ける組織が2月上旬に攻撃を停止して以降初めて。米当局者によると、軍関係者は無事という。

前日にはイラクのスダニ首相が米国訪問から帰国したばかり。

カタイブ・ヒズボラ系のグループが通信アプリのテレグラムで、米国主導の軍事連合終了に向けた協議にほとんど進展がなかったため、3カ月近く中断していた攻撃の再開を決断したと表明した。しかしその数時間後、カタイブ・ヒズボラが情報は「捏造」だとし、攻撃再開を否定した。

米政府関係者によると、イラクからシリアのルマリンにある連合軍基地の部隊に向けて5発以上のロケット弾が発射された。米軍関係者に負傷者は出なかったとし、「ロケット弾攻撃の失敗」と述べた。その後、米軍主導のイラク・シリア連合軍機が発射台を攻撃したとしている。

イラクの治安筋と軍幹部によると、発射台を荷台に固定した小型トラックが、シリアとの国境の町ズマールに駐車されていた。

治安部隊が地域に配備され、別の車両を使って逃走した複数の人物の捜索を開始したという。

治安情報当局は、イラク軍がシリア国境付近で「(犯人の)広範な捜索」を開始したとし、犯罪者に裁きを受けさせると表明した。

関係者によると、トラックは押収され、初期段階の調査では空爆によって破壊されたことが判明したという。

20日未明にはイラクの軍事基地で大きな爆発があり、イラクの治安組織「人民動員隊(PMF)」の戦闘員1人が死亡した。

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