県内両空港、搭乗率上昇 23年度、利用者も増・山形の全路線でコロナ禍前上回る

 県は2023年度の山形、庄内の両空港の利用状況をまとめた。搭乗率は山形空港が69.3%、庄内空港が64.1%と、前年度と比べて約5~10ポイント上昇し、利用者数も共に増えた。山形空港はいずれの路線も新型コロナウイルス禍前を上回る実績で、庄内空港も同水準に近づいており、利用者の順調な回復がうかがえる。

 両空港の現行路線の搭乗率と利用者数の推移はグラフの通り。県総合交通政策課によると、23年度の利用者数は山形空港が34万5493人と前年度から5万3680人増え、庄内空港は34万2353人と7万7853人の増となった。増加率は山形が18.4%、庄内は29.4%。

 新型コロナ禍前の19年度との比較では、山形は搭乗率が2.5ポイント上回り、利用者数は8.3%のプラス。庄内は搭乗率は3.2ポイントマイナス、利用者数は7.4%下回っている。

 山形発着便の中で搭乗率が最も高いのは東京便の77.2%(19年度76.0%)。大阪便が70.6%(同70.1%)と続き、札幌便62.9%(同55.2%)、名古屋便61.6%(同57.4%)だった。

 利用者の増加について、山形空港利用拡大推進協議会事務局と庄内空港利用振興協議会事務局の県は、新型コロナの5類移行後の人の動きの活発化に加え、各協議会や航空会社の利用促進策の効果と見る。

 山形―東京便は国土交通省の政策コンテスト枠で1往復分が配分され、2便化の延長期間は25年3月29日までとなっている。山形の協議会事務局の県総合交通政策課は「次のコンテストがあれば、2便化の継続に向け日本航空と連携して応募する」と話す。

 庄内の協議会事務局の県庄内総合支庁総務課連携支援室は23年度の期間限定5便化を大きな要因に挙げ「現在はビジネス利用が多く、観光利用や乗り継ぎ利用の拡大策を考えていく」としている。

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