UAW、独メルセデスのアラバマ工場に照準 VWの労組結成受け

Nora Eckert

[チャタヌーガ(米テネシー州) 20日 ロイター] - 米南部にあるドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の工場が、全米自動車労組(UAW)傘下の労組結成を賛成多数で決めた。これを受け、UAWは来月に投票があるアラバマ州の独メルセデス・ベンツ工場で連勝し、今回の成功がまぐれでないことを証明する必要がある。

VW工場のUAW代表者も、労働者がこれまで求めてきた、福利厚生の充実や職場の安全性改善、ワーク・ライフ・バランス向上の実現に向けた交渉を通じ、気概を示すことが求められる。

VWテネシー工場での地滑り的勝利は、4000万ドル以上を投じ、トヨタ自動車や米電気自動車(EV)大手テスラを含むUAW非加盟の自動車メーカー13社に焦点を当て、組合をデトロイトから米南部や西部に拡大するUAWの運動にとって大きな弾みになるとみられる。

UAWのフェイン会長はVWの労働者に対し、闘争をメルセデスに引き継ぐと表明。「全米の労働者階級のため、さらなる勝利を収めよう」と呼び掛けた。

ただ、5月中旬に予定するメルセデス工場の投票は、投票に中立的な立場をとったVWよりも厳しい戦いになると予想されている。

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