民家に迫る炎、徹夜の警戒 宮古の山林火災、懸命の消防

発生から丸1日が経過し、なお白煙が立ち上る山林火災現場=21日午後2時20分、宮古市

 宮古市刈屋で発生した山林火災は21日も地元消防、自衛隊による懸命の消火活動が続いた。防災ヘリや自衛隊機が上空から計220回ほど散水するも鎮圧には至らず。火の手は一部が民家の近くに迫り、消防団員らが夜を徹しての警戒態勢を敷いた。「早く収まって」。出火から丸1日がたち、住民たちは焦りと不安を募らせている。

 白煙が山腹を覆い、焦げた臭いが一帯に漂う。火災発生から一夜明けた21日午前6時過ぎ、上空からの消火活動が再開。岩手、秋田、青森3県の防災ヘリと自衛隊機の計9機がプロペラの回転音を響かせ、給水と散水を繰り返した。

 散水は午後5時半ごろまで続き、周囲には様子を見守る住民の姿も。近くに住む佐々木正則さん(55)は「高圧線の辺りまで広がったら空からの放水は難しくなる」と心配し、避難所の駐車場で車中泊をした70代男性は「風向き次第では家の近くに火が回ってきそうだ」と不安げな面持ちで語った。

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