「この先が少し楽しみ」 メジャーを終え渋野日向子にさした“光”

今季初メジャーを50位タイで終えた渋野日向子(撮影:南しずか)

<シェブロン選手権 最終日◇21日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

今季最初のメジャー大会で、4日間を走り抜くことができた。「もっとできたと思う部分もたくさんあった。なんせパーオンが少なすぎ…。残り2ホールでまだ3回しか(グリーンに)乗ってなかった」。渋野日向子は、風も吹く難コンディションのなか「75」と3つスコアを落とした一日に、そして今週の自己ワーストとなるパーオン率27.7%(5/18)という結果に苦笑いを浮かべたが、「充実してた。やっと充実できました」とスッキリしたような表情も浮かべた。

最初にスコアが動いたのは15番パー4。ティショットを池に入れてダブルボギーを打ってしまった。18番で1つ取り戻したが、続く1番から7番までに3つボギーも来てしまう。チャンスホールの8番パー5でバーディを奪い一矢報いたが、3日連続のアンダーパーとはいかなかった。

今週、評価したのはパッティング面。特にしびれる距離のパーパットを、思い通りの球筋、ストロークでカップに沈めるシーンを何度も見ることができた。「パッティングの感覚はよかった。乗らない分、シビアなパーパットを打つ場面も多かったのでメンタルが鍛えられたような気がします(笑)」。最終日のパット数は『24』で、これより前の3日間も『29』、『24』、『25』。4日間平均は25回と、スコアメイクを支える要因になった。

一方で課題に挙げたのは、「不安要素はたくさんあったし、もっと頑張れそう」と話すグリーンを狙うショット。パット数が少ないのは、アプローチを寄せて1パットで沈めるシーンも多かったことという一面もある。4日間のパーオン率は41.6%(30/72)。「2日目が一番よかったかな。全然乗ってはいないけど。2オンを狙ったところで、しっかり振り切れた場面はけっこう多かった。まだまだ散らばっているし、グリーンを狙うショットがバンカーに入るので(笑)」。この部分の改善を急ぐ。

最終順位はトータル3オーバーの50位タイ。それでも表情が明るいのは、「上位に食い込める位置ではないし、レベルも全然違いますけど、この先が少し楽しみというか明るくなったような気はしています…。1回の予選通過だけですけど」と思えたことが理由。ここまで4試合連続で決勝ラウンド行きを逃し、4日間プレーしたのは今季自身初戦で予選落ちがなかった2月の「ホンダLPGAタイランド」のみだった。そんななか迎えたメジャー大会で、進んでいる道にぼんやりとだが明かりが灯ったようだ。

出場6試合目にして、今季初となるポイント(pt)も獲得。8.775ptの129位でようやくランキングにも名前を載せた。ラウンド後には「1ポイントくらい? もうちょっと入る?(笑)」と冗談っぽく笑ったが、「ポイントが入ってよかったけど、これは積み重ね。もうちょっと上に行きたかった」というのも本音。

5月16日から始まる「ミズホ・アメリカズオープン」(ニュージャージー州)終了後には、シーズン中に優先出場順位を入れ替える第1回リシャッフルも実施される。残り3試合で目指すのは、シード選手と同等の試合数が確保できるポイントランキング80位以内になる。現在、80位の選手は84.500pt。どこかで大きく稼ぐ必要があるのは重々承知だ。

「ショットを見ると、ん~、あ~、って感じですけど、気持ち的には前向きでした」という言葉も聞こえてくる。このあとはすぐさまロサンゼルスに移り、25日からの「JMイーグル・LA選手権」に出場。「(コースが)狭いから、このショットだとやばいぞって感じも。グリーンはそんなに小さくないイメージがあるから、縦距離もしっかり合わせて、まずは乗せられるように頑張ります」と準備を進めていく。(文・間宮輝憲)

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