賢治の絵本とにぎやかな猫 30日まで矢山昭子さん個展

自作の絵本を手にする矢山昭子さん=佐賀市のトネリコ・カフェ

 佐賀市の陶彩画家・矢山昭子さん(40)が、同市白山のトネリコ・カフェで作品展を開いている。宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の絵本(A4判、48ページ、1500円)に使ったデジタル画や、愛らしい猫を描いた水墨画など、16点を並べる。30日まで。

 絵本「セロ弾き-」からの作品は、文章から場面の風景や作家の考えをくみ取り、デジタル作画で仕上げた。絵本から抜粋した8点は、和紙に印刷して展示している。

 「龍踊りと猫囃子ばやし」は長崎の伝統芸能に着想を得て、ラッパや太鼓を鳴らして龍を踊らせる猫たちを描いた。墨と水を交互に吸わせた大きな筆で濃淡を出す技法で、龍のうろこを表した。

 絵本の制作では、物語から賢治の成長過程を感じたという。矢山さんは「スマートフォンで調べて分かった気になってしまうけど、自分の手を動かして出力することで初めて分かることがある」と笑顔を見せていた。毎週土曜と29日は店休。飲食メニューの注文が必要。(花木芙美)

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